旭化成セラピューティクスは、AI対話型ロールプレイングサービス「exaBase ロープレ」を導入した。7月28日、エクサウィザーズが発表した。2025年9月より運用を開始している。患者や専門医が少なく実務経験を積みにくい希少疾患領域において、MR(医薬情報担当者)育成の早期化と教育の標準化を進める考えだ。
旭化成セラピューティクスは、旭化成のヘルスケア領域における中核の製薬会社で、専門性の高い疾患領域に集中して新薬を提供している。同社で希少疾患領域を担うエムパベリプロジェクトでは、血液疾患のPNH(発作性夜間ヘモグロビン尿症)を重点領域としている。しかし、希少疾患領域は患者や専門医が少なく、実務を通じたOJTの機会が極端に限られていた。そのため担当者を配置してから一人前になるまでに長時間を要していた。
さらにMRが全国に分散しているためマンツーマンでの指導が難しく、従来の研修はアウトプットの機会が乏しい点も課題だった。指導者によって判定基準や持っている知識量にもばらつきがあり、教育の標準化が求められていた。
こうした背景から、あらかじめ想定される論点や切り返しを事前に訓練でき、同一の基準でトレーニングできるツールとしてexaBase ロープレを採用した。実務機会が少ない中でも多様な症例や議論を擬似的に経験できる点や、全国のメンバーが時間や場所を問わず同じ基準で演習できる点を評価した。
運用では、実際の医師との面談場面を再現した対話シナリオや評価基準を作成。MRはAIアバターとの対話を通じて面談のロールプレイングを行い、100点満点での評価やフィードバックを受ける。新規シナリオの実施と復習を繰り返し、知識とアウトプット力を定着させている。
導入により、MRの準備力や切り返し力が向上し、面談に対する心理的ハードルが下がるといった効果があらわれている。特に新任メンバーの立ち上がりが早まり、初日から専門領域の面談を擬似体験できるようになったことで、短期間で実践的なスキルを習得できている。
旭化成セラピューティクス 医薬営業本部 エムパベリプロジェクト プロジェクト長の杉田英之氏は、「想定される論点や切り返しを事前に何度でも訓練でき、新任メンバーが初日から専門領域の面談を擬似体験できる環境が整った。指導者によってばらつきがちだった教育を標準化し、同じ基準でアウトプットを重ねられることは、組織を強くするうえで非常に大きな価値がある。今後は他の専門領域へのシナリオ拡充を行い、活用を広げていく」とコメントしている。