東京都新宿区は、オプティムのAIエージェント型チャットボット「OPTiM AIRES」を活用した区民向け総合案内用AIチャットボットの提供を2026年9月に開始した。オプティムが9月24日に発表した。区公式Webサイト約2万ページの情報を活用し、手続きや制度に関する問い合わせに24時間365日、会話形式で自動応答する。日本語を含む9か国語に対応し、区民の利便性向上と職員の業務負担軽減を図る。
新宿区では従来、行政サービスの情報提供を目的として24時間365日対応のチャットボットを運用していた。しかし従来の仕組みは、あらかじめ登録した質問と回答(Q&A)をもとに回答を提示する方式だったため、対応できる問い合わせが限定され、メンテナンス工数も課題となっていた。区民ニーズの多様化や複雑化が進む中、より迅速で的確な情報提供や利便性の向上、職員の負担軽減が課題となっていた。
こうした背景から、区は生成AIを活用した新たなチャットボットの構築を計画。「次期新宿区総合案内用AIチャットボット構築・運用保守業務委託」の受託者としてオプティムを選定した。2026年4月からOPTiM AIRESを活用したシステムの構築と運用準備を進め、9月より区民向けに提供を始めた。
新システムは、新宿区の公式Webサイトにある約2万ページの情報を学習しており、幅広い行政情報への対応を可能にしている。従来のシナリオ選択型とは異なり、自然な文章による区民からの問い合わせに対して会話形式で自動応答する。定期的なWebクローリングで公式サイトの更新情報を反映し、従来のQ&A登録型チャットボットで必要だったメンテナンス負荷の軽減を図る。さらに、日本語に加えて中国語(簡体字・繁体字)、英語、フィリピン語、インドネシア語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、ベトナム語の全9カ国語に対応し、回答とともに参照元の情報も提示して根拠を確認できる仕様とした。
システムには、利用自治体ごとに参照可能な情報源を制御し、指定した情報源のみを基に生成AIが回答を作成するオプティムの特許技術(特許第7847403号)を活用する。これにより、誤回答の抑制と回答精度の向上を図る。
今後は、区の区政情報課広聴係とオプティムが連携し、実際の利用状況や区民からのフィードバックを基に回答精度と利便性のさらなる向上を図る。具体的には、問い合わせ履歴の分析や回答評価機能を活用して区民の関心やニーズを把握し、応答内容を改善していく方針だ。また、チャットボットの運用から得られた知見を区公式サイトの構成改善などにも役立て、必要な情報へ円滑にアクセスできる環境づくりを推進する。