沖縄振興開発金融公庫は、融資業務の高度化と効率化を目的に、米nCinoの銀行業務統合プラットフォーム「nCino」を採用し、本番稼働を開始した。9月24日、nCinoが発表した。受付から審査、実行、融資後の管理までを単一基盤に統合することで、業務効率化と顧客への伴走支援の強化を図る。今後はオンライン申込の拡充など非対面サービスの展開も進める。
沖縄公庫は、1972年の沖縄本土復帰に伴い設立された沖縄唯一の総合政策金融機関。大型プロジェクトから小規模事業者の事業資金、教育資金まで多様な資金需要に対応し、民間金融機関を補完しながら地域経済を支えてきた。同公庫は「沖縄公庫DX戦略」を掲げ、ワークフローの電子化やデータ分析基盤の構築など業務のデジタル化を推進。創出した時間を顧客との対話に充てる方針のもと、コア業務である融資業務のデジタル変革に着手した。
新基盤の選定にあたっては、融資業務プロセスと顧客情報を集約して情報分散や多重入力を解消できる点を評価。グローバル標準の金融プラットフォームでありながら、政策金融特有の制度要件に対応できる柔軟性や、現場のニーズに応じた継続的な機能拡張が可能な点も決め手となった。
nCinoの稼働により、属性情報や取引履歴、応対記録、経営課題を一元管理し、組織全体で顧客理解を共有する体制を整えた。複数システムへの重複入力を排除して業務を単一基盤で完結させるほか、紙帳票の出力を原則廃止し、システム外で管理していた情報もデータ化して利活用を進める。さらに融資後の資金使途確認や経営状況確認の期日・実施状況を一元管理し、適切なタイミングでのフォローアップを実現する。事務処理時間を圧縮し、創出した時間を顧客との対話や経営課題の解決に向けた伴走支援へ振り向ける考えだ。
沖縄公庫理事の外間聡氏は、「今回のnCino導入は、単なるシステム更改にとどまりません。当公庫が、お客様へのサービス向上に向けて自ら変革を進めていくための、大きな一歩です。導入に向けて多くの時間と労力を要しましたが、ここからが本番です。沖縄における唯一の総合政策金融機関として、より高い水準でその役割を発揮できるよう、引き続き務めてまいります」とコメントしている。
今後はnCinoを起点に、オンライン申込の拡充や電子契約への対応など非対面サービスを段階的に拡充する計画。離島を含む沖縄全域で、時間や場所の制約を受けずにサービスを利用できる環境の整備を目指す。