サイバーエージェント、生成AI基盤で広告制作を効率化 制作時間を30%削減

2026年3月31日09:00|ニュースCaseHUB.News編集部
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 サイバーエージェントは、広告クリエイティブ制作の供給量と質の向上を目的に、生成AIプラットフォーム「AI SCREAM」を開発し活用している。同プラットフォームにはGoogle Cloudの画像生成AIモデル「Imagen」や「Nano Banana」などが採用されており、クリエイティブ制作における素材準備から最終的なアウトプットまでの工程をスピーディーに完結できる環境を構築した。3月26日、Google Cloudが発表した。導入後、従来の制作手法と比較して約30%の作業時間削減に成功している。

 サイバーエージェントはインターネット広告事業のほか、メディアやゲーム事業などを多岐にわたり展開する企業だ。運用の最適化が求められるインターネット広告においては、ターゲットの属性やリアルタイムな広告効果の変化に合わせ、最適なクリエイティブを絶えず供給し続ける必要がある。同社はこの課題に対し、独自の制作ノウハウと生成AI技術を組み合わせた「AI クリエイティブ BPO」事業を展開しており、その中核を担うのがAI SCREAMである。

 AI SCREAMは、各社の生成AIモデルを統一されたUI上で一元管理し、横断的に活用できるプラットフォーム。開発の背景について、同社AI事業本部の亀山千尋氏は、生成AIは膨大な素材を即座に用意できるため広告制作と相性が良い一方で、モデルごとにUIや対応言語が異なり、現場のビジネス職が使い分けるにはハードルが高かったと指摘する。こうしたギャップを埋めるため、専門知識を問わず誰もが高精度な制作を実現できる環境を整えた。

 同社は商用利用可能な新モデルが登場すると、社内ガイドラインに照らした上で2週間以内に実装する方針を掲げている。数あるモデルの中でも、Google Cloudの画像生成AI群は人物のフォトリアルな表現において社内で高く評価されている。亀山氏は、広告において商品への親近感を得るには自然な人物描写が必要だが、Google Cloudのモデルは人物を違和感なく描写できるという評価が多いと述べている。

 また、プロンプトの意図を正確に捉える出力精度も支持される理由の一つだ。同本部の鈴木知佳氏は、イメージ通りに仕上げやすい点が現場で喜ばれていると話す。特にNano Bananaは発表直後から注目を集め、早期の実装を求める要望が現場から上がるほどだった。2025年12月には、部分的な修正や編集を迅速に行える「ブラッシュアップAI機能」も追加された。開発過程では出力の不確実性を抑える難しさがあったが、Google Cloudの迅速なサポート体制がアジャイルな開発サイクルを支えている。

 AI SCREAMで生成された素材数は、2025年2月からの1年間で累計120万点を突破し、そのうち約10万点が実際の案件や提案資料などで活用されている。制作時間の短縮により、クリエイターは広告効果を最大化するための本質的な企画や表現の開発に注力できるようになった。また、直感的なUIの実現により、ビジネス職が自ら修正やPDCAを回せるようになったことも成果だ。

 今後は自社内での実績を基に、外部企業への展開を加速させる。亀山氏は、日本特有の表現を理解するローカライズの進化や、企業が安心して導入できるための安全性強化において、Google Cloudが業界を牽引することに期待を寄せている。

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