コアテック、法務AIで契約審査コストを40%削減 ナレッジ共有で属人化解消 【本文】  

2026年3月31日09:00|ニュースCaseHUB.News編集部
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 コアテックは、契約業務の効率化と社内ナレッジの蓄積を目的に、法務AIプラットフォーム「LegalOn」を採用した。3月30日、LegalOn Technologiesが発表した。2025年7月に運用を開始し、案件受付から審査、締結、管理までを同一プラットフォーム上で完結させる体制を構築した。これにより、弁護士への委託コストを40%削減するとともに、業務の属人化を解消し、体制変更に強い組織づくりを進めている。

 コアテックは、Webサイト制作やシステム開発に加え、プロeスポーツチームの運営など多角的な事業を展開している。企業規模の拡大とeスポーツ事業の成長に伴い、契約件数は年間約300件にまで急増。従来は専任の法務部門がなく、契約審査の多くを外部の弁護士に依存していた。そのため、審査の経緯や判断基準といった重要なナレッジが社内に蓄積されず、担当者交代時のリスクや業務の属人化が大きな課題となっていた。

 こうした背景から、同社は過去の判断基準を誰でも参照できる仕組みを構築するため、LegalOnへの切り替えを決めた。選定にあたっては、フォルダや契約書単位で詳細な閲覧・編集権限を設定できる柔軟性を高く評価した。事業部ごとに適切な情報アクセスを担保しつつ、機密性の高い案件を確実に保護できる点が決め手となった。

 導入プロジェクトでは、案件受付の「マターマネジメント」、AIによる「レビュー」、電子署名の「サイン」、契約管理の「コントラクトマネジメント」などの各モジュールを統合的に活用する環境を整えた。一気通貫のシステムを構築することで、審査の思考プロセスそのものをデータとして残し、属人性を排除したクオリティの維持を目指した。

 導入後の効果として、業務効率の向上が挙げられる。自社の審査基準をAIに学習させる「プレイブック」機能を活用することで、弁護士の調査時間を短縮。審査件数が増加する中でも、弁護士の稼働日数を週5日から週3日に抑えることに成功した。結果として、契約業務にかかるコストを従来比で40%削減できた。また、案件の進捗状況が一覧で可視化されたことで、管理側の心理的負担も軽減された。

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LegalOnのプレイブック機能のイメージ

 eスポーツビジネス特有の複雑な契約においても、LegalOnが威力を発揮している。大会運営や選手契約、スポンサー交渉など、ケースごとに正解が異なる非定型な案件が増える中、過去の交渉経緯を即座に参照できる基盤が整った。紙の契約書もスキャンして集約することで、ナレッジ共有の精度をさらに高めている。

 今後は、外部の弁護士に依存せず、社内で自律的にリスク判断ができる「自走できる組織」の確立を目指す。コアテック管理部法務課次長の荒川慶行氏は、法務の土台を築く段階でのナレッジ蓄積は将来への大きな先行投資になると指摘する。LegalOnを強力な武器として活用し、5年、10年先を見据えた組織の地力向上に取り組んでいく。

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