MS&ADインシュアランスグループホールディングス(MS&ADホールディングス)は、傘下の損害保険会社2社の次期統合コンタクトセンター基盤に「Genesys Cloud platform」を採用した。3月31日、導入を支援した三井情報が発表した。新基盤の稼働により、顧客データの利便性を高めるとともに、AIを活用したパーソナライズな応対を通じて顧客体験(CX)の向上を目指す。
MS&ADホールディングスは、三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険を中核とする保険・金融グループだ。グループ内の7社でコンタクトセンターを運営しており、自動車保険の事故受付やロードサービス、各種問い合わせ対応など多岐にわたるサービスを提供している。
近年、スマートフォンの普及やデジタル技術の進化に加え、生成AIの台頭などコンタクトセンターを取り巻く環境は激変している。こうした変化に対応するため、同社は柔軟性や拡張性に優れたクラウドベースの基盤への移行を模索していた。選定にあたっては、グループ全体での円滑な移行が可能であることや、クラウドサービスでの豊富な実績、コスト面での妥当性を重視。包括的なAI機能を備え、エクスペリエンス・オーケストレーションを可能にするGenesys Cloudを選定した。
導入パートナーには、長年にわたりグループの基盤構築を支援してきた三井情報を起用した。既存資産を活かしながら段階的にシステムを近代化してきた同社の技術力と、業務に対する深い理解への信頼が決め手となった。
新基盤では、これまで電話交換機(PBX)と連携していた複数のシステムをGenesys Cloudへ集約し、システムの簡素化を図った。さらに「Salesforce Service Cloud」と緊密に連携させることで、CRMの顧客データを活用した効率的な対応を実現する。電話だけでなくチャットなどのノンボイスチャネルも拡充し、生成AIの活用によって応対品質の強化を図る計画だ。
三井住友海上火災保険カスタマーコミュニケーション部長の林健太郎氏は、今回の導入は「お客さま本位」の理念を強化する重要なステップだと述べている。データを活用してコミュニケーションをスムーズにし、今後もAIやデータの力を最大限に活用して進化する顧客ニーズに迅速に対応するとともに、業務運営の革新に努める意向だ。
また、あいおいニッセイ同和損害保険理事コンタクトセンター事業部長の松浦毅氏は、採用難や接点の多様化といった課題に対し、最新テクノロジーを組み合わせることで応対の高度化を目指すと語る。コミュニケーターのスキル向上と負荷軽減を同時に実現したい考えだ。