オープンハウス・アーキテクトは、原価管理や見積依頼といった現場管理業務の効率化と品質向上を目的に、既存システムに生成AIを組み込む企業向けAI基盤「Techtouch AI Hub」を採用した。6月9日、同サービスを提供するテックタッチが発表した。同社が運用する現場管理プラットフォーム「Optimus」の必要な画面に絞って機能を後付けし、現場の学習コストをかけずにAIの定着を進める。
オープンハウスグループの建設事業を担うオープンハウス・アーキテクトは、年間約5000棟の建築実績を持つ。DXを内製中心で進め、現場管理プラットフォームのOptimusを独自開発し、受発注や請求の電子化を進めてきた。さらなる業務改善に向けてAIの活用を検討する中で、全社一律でのAI活用が難しいという現実が見えてきたという。現場対応や最終承認など人が判断すべき業務とAIに適した業務が隣接していることに加え、データも部門ごとに散在しているためだ。
そこで同社は、業務フロー上でAIに任せる箇所と人が判断する箇所を明確にし、業務単位で必要な機能を迅速に実装する方針をとった。その基盤として選定したのが、デジタルアダプションプラットフォーム(DAP)「テックタッチ」のオプション機能であるTechtouch AI Hubだ。同社は3年前からOptimusの内部でユーザーのシステム利用を支援するDAPとしてテックタッチを運用しており、その延長線上で既存のユーザーインターフェースを変更せずに生成AIを追加できる点を評価した。試用段階からスムーズに導入できたことも決め手になったという。
現在、主に三つの領域でTechtouch AI Hubを活用している。一つ目は原価状況の要約で、膨大な原価データをAIが自動解析し、予算超過の警告やサマリー作成を自動化する。二つ目は社内申請前のポイント確認で、発注画面でのコメントの適切性チェックや予算超過を検知する。三つ目は見積依頼文の作成支援で、工事や担当者の情報を基にメールの文章を自動生成する。プロンプトの調整を含めてわずか30分で実装を完了したという。現場からは、新入社員やシステムに不慣れな担当者の役に立つといった声が寄せられており、利用者が意識せずにAIの恩恵を受けられる仕組みが機能している。
今後は、原価リスクの早期発見や申請チェック機能の高度化により、承認時間の短縮といった具体的な業務改善を進める。社内システムの進化を加速させる基盤として、積極的なAI実装を目指す考えだ。
同社DX推進部長の二井谷豊氏は、生成AIの進化は目覚ましい一方で実業務への適用には壁があり、定着しないケースも少なくないと指摘する。「既存システムの特定の画面にAIを組み込めば課題解決になるという明確なアイデアがあった。Techtouch AI Hubは当社のニーズに最適で、業務フローに自然に溶け込むAI実装を短期間で構築できた。今後も既存システムとAIを融和させ、現場が意識せずとも恩恵を受けられる実効性のあるDXを推進していく」とコメントしている。