川崎重工、AI検索ポータル構築で規程探索を効率化 月間4000回利用、他部門へ展開

2026年8月26日16:29|ニュースCaseHUB.News編集部
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 川崎重工業は、エネルギーソリューション&マリンカンパニーにおいて、規程のAI検索ポータル「ReguNavi」を構築した。検索基盤としてアイアクトのAI検索・RAG型生成AIサービス「Cogmo Enterprise 生成AI」およびAI検索「Cogmo Search」を採用している。8月25日、アイアクトが発表した。膨大な規程を探す時間を削減し、本来の業務に集中できる環境を整えた。現在は同社内の他部門や他カンパニーへの横展開が進んでいる。

 川崎重工のエネルギーソリューション&マリンカンパニーでは、エネルギーや水素、船舶・防衛などの開発、設計、製造、保守を手がけている。防衛関連船舶やインフラ設備を扱うため、新製品開発や設計審査、プロジェクト管理などの品質関連規程の遵守が極めて重要視されている。しかし、細則を含まない規程だけでも合計約3000ページにのぼり、必要な情報がどの規程に記載されているかを自力で探し出すには一定の知識や経験が必要だった。情報の探索に多大な時間を要し、時には見落としが生じるリスクもあったため、検索環境の整備が課題となっていた。

 こうした状況を改善するため、同カンパニー共通で利用できる規程のAI検索ポータルとしてReguNaviを構築。従来、規程ファイルを管理していたSharePointの情報ポータル検索を置き換える形でCogmoを採用した。

 選定にあたっては、PoC(概念実証)の段階から検索者の意図をくみ取って具体的に簡潔な回答を出せる精度の高さを評価した。また、全社で利用されている汎用AI「Copilot」が個人のプロンプトスキルに依存しやすいのに対し、Cogmoはプロンプトを意識せず質問感覚で使えるシンプルな検索画面型インターフェースを備えており、誰もが同じレベルで価値を享受できる点も決め手となった。同社では、個人やチームの作業効率化にはCopilot、組織共通の情報流通にはCogmoを活用するという使い分けを推進している。

 ReguNaviの運用開始から約1年が経過した現在も、月間平均約4000回、ピーク時には7000回を超えるアクセスがあり、定着が進んでいる。キーワードの断片からでも探している規程に迅速にたどり着けるようになり、業務効率化に貢献している。また、同様の仕組みを用いて過去の不具合情報を検索できるポータル「不具合Navi」の運用も開始した。

 エネルギーソリューション&マリンカンパニー企画本部QM企画部部長の北門崇之氏は、「大企業ならではの厳重なセキュリティ審査プロセスと、スピード感のあるAI技術活用との両立には難しさを感じていたが、実用性と有用性を社内で粘り強く発信し、啓蒙活動を続けてきた。今後はポータル内の掲示板などにAI検索窓を埋め込めるプラグイン機能や、不適合の真因分析ができる専門AIの登場に期待している」と話している。

 今回の成果を受け、川崎重工では他カンパニーの規程検索ポータルや他部門の不具合情報検索ポータルなど、社内全体へCogmoの導入展開を進めている。

ニュースリリース