伯東は、GVA TECHが提供する「OLGA AIコンサルティング」を活用し、契約審査業務の効率化基盤を構築した。8月25日、GVA TECHが発表した。自社の審査基準を反映したプレイブックと生成AIを業務プロセスに組み込むことで、秘密保持契約(NDA)のレビュー工数を従来の5分の1に削減した。今後はNDA審査の事業部門への移管や海外拠点への展開を進め、法務部門が高リスクな重要案件へ注力できる体制の確立を目指す。
伯東は半導体や電子部品を扱う専門商社機能と、化学品などを開発・生産するメーカー機能を持つ企業。近年の半導体需要の急拡大に伴い、法務部門への契約審査や法律相談の依頼が増加していた。同社では月に約90件の審査依頼が発生しており、そのうち定型的な要素が多いNDAが約3割を占めていた。限られた人員の中でNDA対応に多大な工数を割かれ、取引基本契約や紛争対応といった複雑で高リスクな重要案件にリソースを集中させにくい状況が課題となっていた。
社内には汎用的な生成AIを利用できる環境が整っていたものの、リスクの指摘にとどまり、実際の契約書に修正履歴やコメントを付与したWordファイルを作成する実務までは対応できなかった。そこで同社は、既存の「OLGA」利用実績に加え、自社基準に最適化した審査基準(プレイブック)を構築でき、修正履歴付きファイルを自動生成して業務プロセスへ一気通貫で組み込める点を評価し、OLGA AIコンサルティングの採用を決めた。
プロジェクトでは、伯東が過去に締結した契約書の修正実績や交渉経緯などのノウハウを体系化し、AIが判断するためのプレイブックを構築。相手方から提示された契約書を投入すると、数分で自社基準に沿った修正案やコメントが付いたファイルが出力される仕組みを整えた。
これにより、和文および英文を合わせたNDA審査にかかる全体的な工数が従来の約5分の1に削減された。特に従来は約2時間を要していた英文NDAのファーストドラフト作成が約10分に短縮されるなど、業務効率化につながっている。
今後は、事業部門がAIを活用して一次確認と交渉を行い、難易度の高い案件のみを法務部門が対応する体制づくりを進める。また、海外拠点への展開や、安全保障貿易管理、CSR、内部監査といった他の間接部門への横展開も視野に入れ、社内のDXを推進する。