全国で保育施設を運営する社会福祉法人ちとせ交友会は、経営者の理念やノウハウを学習させてオリジナルなAIの作成・伴走支援サービスである「AI社長」を用いて実現した専用AI「AIちこちゃん」を導入した。4月22日、AI社長の開発を手掛けるTHAが発表した。独自の企業理念や熟練者の実践知を学習させたAIを全園で活用し、組織力の強化と保育の質の向上を図る。
ちとせ交友会は、首都圏を中心に8都府県で70以上の認可保育所などを運営し、2000名を超える職員が在籍している。全国規模で事業が拡大するなか、同法人が掲げる「HOME(こころの帰る場所)」という理念の浸透や、専門的な保育ノウハウの共有をいかに全施設で実現するかが課題となっていた。
導入したAIちこちゃんは、同法人の理事長や統括園長が持つ30年にわたる保育の実践知と言語化された価値観を統合した、法人オリジナルのAIパートナーだ。職員は使い慣れたコミュニケーションツールを通じて24時間いつでも相談でき、理念に基づいた具体的なアドバイスを受けられる。
特長は、単に答えを提示するのではなく、職員自身の気づきを促す問いかけを行う点にある。これにより、経験の浅い保育士でも「子どもの行動の背景」を自ら考える力を養えるほか、園長や主任に直接聞きづらい悩みも気軽に相談できる環境を整え、現場の心理的安全性を高めている。また、組織に蓄積されたベストプラクティスを即座に参照できるため、業務の属人化解消も見込む。
社会福祉法人ちとせ交友会理事長の山口哲史氏は、「保育現場に正解はないが、AIちこちゃんが『あなたは優しさがあるから大丈夫』と背中を押してくれる存在になることで、職員が安心して子どもたちと向き合える。理念を体現する一翼を担ってくれることを期待している」としている。