福岡銀行は、ストラクチャードファイナンス業務における契約書類管理の効率化を目的に、LayerXのAIプラットフォーム「Ai Workforce」を採用した。5月7日、LayerXが発表した。地方銀行による同システムの導入は全国で初めてとなる。AIの活用により、複雑な融資契約書の検索や管理に要する業務時間を年間で約7000時間削減し、営業時間の創出と業務品質の向上を目指す。
ストラクチャードファイナンスは資産やプロジェクトを担保とする融資業務であり、案件ごとに契約条件が異なるため高度な専門知識と綿密な管理が求められる。同行では、過去案件の検索に時間を要することによる業務の属人化や、100ページを超える膨大な契約書からモニタリング情報を抽出して管理表へ転記する手作業の負担が大きな課題となっていた。
Ai Workforceの採用にあたっては、高度なAI技術による柔軟な対応力と、導入後の継続的なサポート体制を評価した。同システムはドキュメント処理に特化しており、生成AIによる処理だけでなく、Excelテンプレートへの転記や機密情報のマスキングといった多彩なモジュールを備えている点が特徴だ。
導入により、過去の契約書からサマリー情報を抽出してデータベース化し、ファイル名だけでなく本文内のワードを含めた高度な検索が可能になった 。これにより、若手行員が自ら情報を収集してノウハウを吸収できる環境を整備した。また、契約書からの情報抽出と管理表作成を自動化したことで、年間約7000時間の削減効果を見込む。内訳として、契約書検索で約6500時間、管理表作成で約500時間の削減を想定している。
本プロジェクトは30代前半の若手行員を中心に推進されており、人材育成や組織内のDX風土醸成も重要な狙いとしている。すでに他部署への展開も進んでおり、今後は契約内容の確認業務などへの活用範囲拡大も検討している。
福岡銀行ストラクチャードファイナンス部部長代理の米川氏は、「これまでは情報整理に多くの時間を費やし、スピードに課題があった。今後は契約書類の検索が大幅に短縮され、より戦略的な業務へシフトすることで、お客様への価値提供を一層強化していきたい」とコメントしている。