花王は、パレット伝票の管理およびシステム入力業務の効率化に向けて、次世代型OCR「route-D AIデータ入力」を採用した。6月30日、製品を提供するroute-Dが発表した。実証を行った工場では、従来の入力工数を約74%削減することに成功しており、今後は他工場や他拠点への展開を進めてオペレーションの標準化を図る。
花王では、商品の保管や輸送に使用するパレットの移動情報を伝票に記録し、工場から物流センターへの出入荷時に管理システムへ手入力することで受払管理を行ってきた。パレットの管理精度自体は高い水準を維持していたものの、月数万枚にのぼる膨大な伝票発行に伴い、システムへの手入力業務が大きな負担となっていた。ある工場では入力業務だけで月200時間が発生していたほか、手入力によるミスも避けられず、棚卸時の差異確認といった追加の対応工数が発生する原因となっていた。
こうした課題を解決するため、複数のOCRソリューションを比較検討した結果、読み取り精度の高さに加え、実運用における確認作業のしやすさを評価して同製品の導入を決めた。具体的には、伝票画像と読み取り結果を表形式で並べて複数書類の明細データをまとめてチェックできるサービス画面や、手書き文字の誤読リスクがある項目をハイライト表示して確認箇所を効率的に特定できる「信頼度ハイライト」機能が選定の決め手となった。
導入に伴い業務フローの改善を実施したところ、月200時間の業務が発生していた工場において月147時間の省力化を達成し、約74%の工数削減を実現した。また、紙の伝票をデジタルデータ化したことで、業務の集約性やデータ保全性の向上といった効果も現れている。
今後は運用の規模をさらに拡大し、他の工場や拠点への横展開を計画している。AIを活用してパレット管理オペレーション全体の標準化を進め、全社的なDXを推進していく。