トランスコスモスは、AIマニュアル自動作成・共有サービス「ManualForce」を採用した。2月18日、ManualForceを提供するOrange Moonが発表した。音声認識ソリューション「transpeech」のサービス開発における引き継ぎや検証手順の共有を標準化し、情報の属人化を解消するのが狙いだ。PoC(概念実証)段階では、マニュアル作成にかかる作業時間を84.1%削減できる見込みを得た。
トランスコスモスは、コンタクトセンター業務を支援する音声認識ソリューション「transpeech」を展開している。同サービスの開発部門では、日常的に業務説明や引き継ぎ、検証手順の共有が発生していたが、判断基準や例外対応が口頭での伝達に頼りがちで、暗黙知として属人化していることが課題だった。また、システムのテストや検証において、不具合が発生した際の操作再現や証跡の共有が困難で、確認のためのコミュニケーションコストが増大していた。
従来はWindowsの標準録画機能などで明文化を試みていたが、キャプチャの取得やドキュメント化に多大な工数を要し、継続的な運用が難しかった。そこで、PC操作を自動で記録してドキュメント化できるManualForceを導入し、業務の「副産物」としてナレッジが蓄積される環境の構築を目指した。
ManualForceの採用にあたり、操作録画がそのままマニュアル化されることで、引き継ぎ業務が本質的に効率化される点を評価した。導入により、PC操作のエラーログ収集やヘルプデスク業務の負担も軽減された。特に、ワークフローの検証過程を時間情報とともに証跡として残せるようになったことで、チーム内でのスムーズな情報共有が可能になった。
同社は全10種の手順を対象にPoCを実施し、ManualForceによる手順作成の網羅性と再現性を検証した。その結果、従来の手法では690分を要していた作業が110分に短縮され、約580分の削減効果を確認したという。現在は約10名のチームで利用しており、マニュアル作成ツールとしてだけでなく、判断の経緯などを共有するコミュニケーションツールとしても活用している。
今後は、特定の担当者にノウハウが滞留することなく、部門を越えて知見を共有できる体制を強化する方針だ。ナレッジを組織の資産として蓄積する文化の醸成に取り組む。
トランスコスモスAI・テクノロジー事業開発部デジタルオペレーション開発課の露木昭博氏は、「明文化や共有は重要だが、手間が大きいと続かない。ManualForceは、負担が大きいという課題を解消し、日々の業務を通じて自然にナレッジが蓄積される環境をつくってくれる。引き継ぎや検証がスムーズになり、組織全体の動き方が良い方向に変わっていくはずだ」と話している。