マクラーレン・レーシングは、F1チームの競争力向上を目的に、デル・テクノロジーズのAIインフラストラクチャーとPC製品を採用した。2月18日、デル・テクノロジーズが発表した。両社はパートナーシップを拡大し、AI技術を活用して車の設計からレース当日の戦略立案までを高速化することで、サーキット内外でのパフォーマンス向上を図る。
マクラーレン・レーシングは、コンマ数秒が勝敗を左右するF1の世界において、人間の才能とエンジニアリング、テクノロジーの融合を重視している。同社は2018年からデル・テクノロジーズと提携しており、2024年と2025年のコンストラクターズ・チャンピオンシップ連覇を支える基盤として、同社のソリューションを設計やエンジニアリング、リアルタイムな意思決定に活用してきた。
今回、さらなる成果の追求に向け、AIサーバー「Dell PowerEdge」やAIソリューション群「Dell AI Factory」の活用を強化した。これにより、1レース週末あたり1.5テラバイトに及ぶ膨大なデータを処理し、迅速にシミュレーションへ変換できるようになった。デジタルツイン技術の強化により、油圧システムの微細な変化の検知や路面状況へのリアルタイムな対応など、あらゆるシナリオを想定した戦略の構築が可能になった。
データ集約型のオペレーションを支えるストレージ基盤には、「Dell PowerStore」や「Dell PowerScale」を採用している。数値流体力学(CFD)などの重い負荷がかかるワークロードに合わせ、インフラをオンデマンドで拡張できる柔軟性を評価した。このハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)環境により、リソースを効率的に管理しながら、分析やシミュレーションの速度を高めている。
また、世界各地で活動する従業員の業務基盤として、最新のAI PCを導入した。エンジニアやストラテジストは、AI PCを用いることで複雑なワークフローを管理し、レースデータを即座に分析して重要な意思決定を下せるようになった。サーキットだけでなく工場や移動中でも、シームレスな連携とリアルタイムなデータアクセスが可能になり、ドライバーのトレーニングやシミュレーションシステムの運用も支えている。
マクラーレン・レーシング最高経営責任者(CEO)のザク ブラウン氏は、「デル・テクノロジーズとの取り組みは、F1チームとしての活動において当たり前のものになっている。彼らのサポートは組織全体の働き方を強化し、細部が重要なスポーツにおいて機敏性と競争力を維持させてくれる。関係を拡大できたことは、共に達成できる成果に対する信頼の証だ」と話している。
今後は、テクノロジーと人間の創意工夫を組み合わせることで、ハイリスクな環境下でのさらなる競争優位性の獲得を目指す。また、ゲーミング分野においても「Alienware」システムを活用し、マクラーレン F1 Sim Racingチームの競争力を高めていく。