創業92年のパッケージメーカーであるクラフツは、TOKIUMの経理AIエージェント「TOKIUM AI経費承認」を採用した。TOKIUMが、12月2日に発表した。毎月集中する経費承認作業の効率化を図り、年間約170時間の工数削減を見込む。これにより、経理部門は月次決算など付加価値の高いコア業務へ注力できる体制を整備する方針だ。
クラフツはグループ全体で840名の従業員を抱える老舗パッケージメーカー。同社では、経費精算が月末に集中し、毎月500から600行に及ぶ経費承認作業が経理部門にとって大きな負担となっていた。特に不備があった際の差し戻し対応や申請者への確認連絡に多くの時間を費やしていた。経費承認と並行して月次決算対応を行う必要があり、承認作業に時間がかかることで、本来注力すべき決算業務へリソースを確保することが喫緊の課題だった。
こうした背景から、クラフツは経理業務の効率化を目指し、TOKIUM AI経費承認の導入を決めた。同製品は、AIが申請された経費の内容や証憑を精査し、一次承認や差し戻しを代行する機能を持つ。経理担当者の負担となっていた承認・差し戻し作業にかける時間を大幅に削減できる点が採用の決め手になった。
また、クラフツは、従来のシステムと比較して導入工数やコストを抑え、簡単に利用を開始できる点を評価した。AIの出力精度を向上させるためのTOKIUMのサポート体制も、採用の決め手の一つになった。
TOKIUM AI経費承認の導入により、これまで毎月16時間かけていた承認作業がわずか2時間で完了できるようになった。これにより、年間で約170時間の工数削減が見込まれる。差し戻しもAIが代行するため、申請者とのコミュニケーション工数も削減でき、経理部門全体の生産性向上に貢献している。さらに、AIが申請内容をくまなく確認することで、人的な見落としリスクも低減した。
クラフツ経理部部長の石黒博義氏は、「人員が限られる中で、定型業務をいかに効率化し、より付加価値の高い業務へシフトするかは経理部門の大きな課題であった。TOKIUM AI経費承認の導入は、AIを採用するという我が社にとって大きな決断であったが、毎月の承認作業が今までの8分の1に削減され、効果を実感している」と語った。
また、石黒氏は「承認や差し戻し作業を削減できたことで、メンバーが月次決算などのコア業務に集中するための下地ができた。今後はTOKIUM AIエージェントをさらに活用し、企業の成長を支える戦略的な経理部門を目指していきたい」と今後の展望を述べている。