藤田医科大学病院、AIで退院サマリー作成時間を90%短縮

2024年9月9日08:40|ニュースリリース公開日 2024年5月8日|ニュースCaseHUB.News編集部
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 藤田医科大学病院が、生成AIを活用して退院サマリーの作成時間を大幅に短縮する取り組みを行っていることを2024年5月8日にアマゾン ウェブ サービス(AWS)が本社ブログで発表した。

 同病院は国内有数の病床数を誇る医療機関で、医師の業務効率化を目指し、AWSの生成AIサービス「Amazon Bedrock」を用いた退院サマリーの自動作成に関する概念実証(PoC)を実施した。退院サマリーは入院患者の治療歴と診断を記録する重要な医療文書だが、作成に時間がかかるという課題があった。

 PoCでは、実際の電子カルテデータを基に、Amazon Bedrockを使用して退院サマリーを生成。その結果、従来1件あたり10分かかっていた作成時間を約1分に短縮できると評価された。これは90%の時間削減に相当する。

 医療現場では「医師の働き方改革」が進められており、2024年4月から勤務医の労働時間に上限規制が適用された。この中で、業務効率化は喫緊の課題となっている。藤田医科大学病院の取り組みは、繰り返し行われる重要業務の自動化によって医師の負担軽減を図る先進的な事例といえる。

 同病院はこの成果を踏まえ、今後さらなる検証を重ね、実際の診療現場への導入を目指すとみられる。医療の質を維持しつつ、医師の働き方改革を推進する上で、AIなどのデジタル技術の活用が果たす役割は大きくなっている。

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