福島市は、JR福島駅東口観光案内所に、ティファナ・ドットコムが提供するAI案内システム「AIさくらさん」を導入した。4月21日、ティファナ・ドットコムが発表した。1月15日から運用を開始しており、運営を福島市観光コンベンション協会が担う。新型コロナウイルス感染症の影響で閉鎖された有人窓口に代わり、AIが観光案内機能を再構築した。
福島駅東口では、かつて有人案内所が運営されていたが、コロナ禍に閉鎖された。インバウンド需要が回復する中で、来訪者が相談できる場所の不足が課題となっていた。そこで同市は、多言語対応が可能で、他自治体での実績が豊富な同システムの採用を決めた。
導入されたシステムは、日本語のほか英語、中国語、タイ語に対応する。駅周辺の案内や観光スポット情報を、早朝5時30分から深夜23時50分まで提供。これにより、従来の有人窓口では対応が困難だった早朝・深夜帯の「案内空白」を解消し、有人時代を上回る対応時間を実現した。
また、福島市のマスコットキャラクター「ももりん」とのコラボレーションや、観光親善大使「ミスピーチキャンペーンクルー」の制服を取り入れたデザインを採用し、視覚的にも地域色を表現している。
導入から約3カ月で累計6000回以上の接客実績を記録しており、年間で2万件規模の業務を担う見込みだ。対話を通じて蓄積されるデータは、観光客のニーズ可視化や、今後の観光戦略、マーケティング施策に活用する。
福島市の担当者は、「かつての有人窓口のように親しみを感じてもらえる存在を目指した。福島駅を訪れるすべての方が、言葉の壁を感じることなく観光を楽しめる環境を実現したい」とコメントしている。同市は今後、AIによる観光案内の高度化を図るとともに、デジタル技術を活用したおもてなしの向上に取り組む考えだ。