三菱ガス化学、生成AIで工場の安全管理を高度化 ベテランの知見を継承

2026年4月24日09:00|ニュースCaseHUB.News編集部
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 三菱ガス化学は、国内5工場で運用している危険予知(KY)サジェストシステムに、シナモンAIの生成AI技術「Super RAG」を導入する。4月23日、シナモンAIが発表した。2026年4月から新システムの本格開発を開始し、年内の順次導入を目指す。膨大な社内ナレッジの即時参照を可能にすることで、安全管理の網羅性向上とベテランの技術継承を推進する。

 三菱ガス化学は、メタノールや高機能プラスチックなどを手がける総合化学メーカーだ。製造現場では事故を未然に防ぐKY活動が重要だが、近年は設備の自動化に伴い従業員の危険感受性が低下する懸念が生じていた。また、過去の事故データやヒヤリ・ハット事例が膨大に蓄積されているものの、現場ごとに書式が異なるため有効活用が難しく、活動の形骸化が課題となっていた。

 同社は2023年6月から、シナモンAIの技術を基盤としたKYサジェストシステム「MGC-KYAS」を導入してきた。今回の刷新では、より高精度な回答生成が可能なSuper RAGを組み込む。これにより、PDFなどのオリジナルファイルから直接情報を読み取ることが可能になり、現場のデータ登録工数を大幅に削減しながら、過去の類似災害や作業手順の最適解を瞬時に抽出できる環境を整える。

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Super RAGを活用した次世代型KYサジェストシステム「MGC-KYAS」の運用イメージ

 新システムの導入により、AIが回答の根拠となる参照元ドキュメントを明示することで、若手社員が熟練者の判断基準をダイレクトに学び取ることが可能になる。また、AIが新たな視点から危険を提示することで、作業のマンネリ化を打破し、属人化しがちな安全ノウハウの標準化を実現する。

 今後は、グループ会社や協力会社への展開も視野に入れ、AIを活用した広範な領域での安全管理高度化を進める。三菱ガス化学は、AIを介してベテランの知見を確実に伝承する仕組みを強固なものにし、ヒューマンエラーの防止と持続可能な製造現場の実現を目指す。

ニュースリリース