筑波大学は、学生の創造的なデジタルスキルの習得と次世代の教育カリキュラム構築に向け、アドビが推進する世界的コンソーシアム「Adobe Creative Campus」に加盟した。5月11日、筑波大学およびアドビが発表した。関東の国立総合大学として初の加盟となり、全学生を対象に「教育機関向けAcrobat Express」を大規模に導入する。AI時代に不可欠なデジタルリテラシーを全学的に育成し、学びの可能性を広げるのが狙いだ。
筑波大学は、1973年の開学から50周年を迎え、次の50年を見据えた新しい学びの環境づくりを進めている。今回の加盟により、アドビのクリエイティブツール「Adobe Creative Cloud」や「Adobe Express」を正課内外で積極的に活用できる体制を整備した。世界で100以上の高等教育機関が加盟するコンソーシアムへの参加を通じて、国内外の先進校と教育カリキュラムや実践に関する情報交換を行い、教育環境の革新を加速させる。
同大学は、アドビが2026年2月に提供を開始した特別ライセンス「教育機関向けAcrobat Express」を全学生向けに導入した。これはクリエイティブ特化型の生成AI「Adobe Firefly」と、ドキュメントに特化した生成AI「Acrobat AI アシスタント」などで構成されるライセンスで、日本の国立総合大学での大規模導入は初の事例となる。学習内容の理解から分析、応用、そして創造的なアウトプットまで、学習プロセス全体を生成AIで総合的に支援する。
これまでも同大学では、情報学群が全学向けに開講する「デジタルクリエイティブ」などの授業でアドビ製品を活用してきた。2024年12月には医学類の学生が慢性腎臓病の啓発ワークショップでAdobe Expressを活用し、2025年7月には附属駒場高等学校において、生徒が自作の漢詩をAdobe Fireflyで絵画化する授業を実施するなど、多様な学部や附属校で実績を積んできた。
筑波大学副学長・理事の竹中佳彦氏は、これまでデジタルクリエイティブ教育を通じて表現力と創造性を育む取り組みを進めてきたと説明。Adobe Expressなどのツールは、アイデア次第で学びの可能性を大きく広げられることを実感している。加盟により学生が日常的にツールを使える環境が整うことで、一人ひとりの発想力をさらに引き出し、次の50年を見据えた新たなカリキュラム作りへの挑戦を加速したいと話す。
今後、筑波大学は他の加盟大学の事例も参考にしながら、学生一人ひとりのデザイン力を伸ばすとともに、より充実した学びの環境づくりを推進する。