味の素、AI活用へデータ管理とガバナンス整備 判断基準を明確化し運用標準化

2026年6月11日09:00|ニュースCaseHUB.News編集部
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 味の素は、AI活用を支えるデータマネジメントおよびAIガバナンスの整備を完了した。システム開発ベンダーとしてはEYストラテジー・アンド・コンサルティングを選定。同社の支援を受け、非構造化データを含む多様なデータの利用基準を具体化し、AI活用に向けたデータ管理基盤の整備を進めた。6月10日、EYストラテジー・アンド・コンサルティングが発表した。案件ごとに個別判断していた運用の標準化が進み、AI導入時の確認作業の効率化や現場における判断のばらつき縮小を達成した。

 味の素グループでは、データとAIを中核要素としたデジタルを活用した企業変革(DX)を推進している。バリューチェーンの各機能や本社機能にデータとAIを組み込む中、全社データマネジメントシステム「ADAMS」を中核に据えて導入・整備を進めてきた。これまでは主に人が使いやすいデータ整備に注力していたが、2024年頃からAIが現場に浸透し始め、データを扱う主体がAIにも広がったことで、データの品質や整備水準をさらに引き上げ、他社との差別化を図る必要性が生じていた。

 また、社内でのAIの導入や外部ベンダーとの協業が増える中で、取り込めるデータのルールが明確でなく案件ごとに個別判断する負担が増大していた。さらに、AIがアクセス可能なデータ範囲の適切性を確認するプロセスや、不適切なアクセスがあった場合の報告・是正の仕組みの整備、構造化データ中心の従来ルールでは対応しきれない非構造化データへのアクセス権設定なども顕在化した課題であった。

 こうした背景から、実務に即したデータマネジメントとAIガバナンスの高度化を目指し、他社事例の豊富さと伴走支援の実績、グローバルなガバナンス強化の知見を評価してEYストラテジー・アンド・コンサルティングをパートナーに選定した。

 プロジェクトでは、実際のユースケースを起点にルールを設計するアプローチを採用した。既存ルールの整理とユースケースの棚卸しを行い、社内のAI活用事例を分類した上で代表例を抽出。外部機関のガイドラインを参照しながら現行ルールとのギャップを洗い出し、業務特性やデータの性質を踏まえてルール化すべき論点を整理した。また、個人情報の入力を許可する可能性を前提とした制御方法や、AI生成データと人間が作成したデータの混在への対応についても議論を重ねた。

 取り組みの成果として、AI提供者が実務で使えるレベルまで推奨事項を具体化したルールと手引書を整備した。非構造化データの種類とユースケースごとに信頼性確保に求められるデータ品質基準や、AIが適切にデータを参照・活用できるようにするためのメタデータ項目(作成主体、更新日時、機密度、出自など)を定義している。これにより、セキュリティ審査における法的確認作業の工数削減に寄与した。

 今後は、整備したルールや手引書を実案件に適用しながら検証を行い、AIの進展や法規制の変化に応じて柔軟に見直していく方針。さらに、ルールに沿ってAIが適切に扱われるようシステムに組み込み、現場に浸透させる体制を強化することで、データを軸とした経営基盤の高度化につなげていく。

ニュースリリース