クボタ、AI予測システム構築で自然災害時の水道管路被害と断水リスクの予測を高精度化

2026年6月18日09:00|ニュースCaseHUB.News編集部
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 クボタは、AIを活用して自然災害時の水道管路の被害を予測する「ハザード被害AI予測システム」ならびに「断水エリア予測システム」の開発を完了し、2025年5月から管路被害と断水リスクを予測するサービスの提供を開始している。システム構築にあたっては、日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ(日本TCS)の継続的な支援を受けた。6月17日、日本TCSが発表した。これまで水道事業者が用いていた従来の手法と比較して、管路単位でより高精度な被害予測が可能になった。

 クボタは1890年の創業以来、日本初の水道用鉄管の国産化や量産化を成功させるなど、長年にわたり水環境インフラの整備や社会課題の解決に取り組んできた。しかし近年、多くの水道事業者は人口減少に伴う減収という深刻な課題に直面している。従来の被害予測手法は精度が低く、被災リスクの高い管路が過剰に算出される傾向にあったため、限られた予算のなかでリスク予測されたすべての管路を耐震管へと更新することは極めて困難な状況だった。その一方で、本当に危険な管路の耐震化や更新が遅れるリスクも懸念されており、水道インフラの維持と最適な投資計画の策定に向けて、被害予測のさらなる精度向上が急務となっていた。

 システムの開発にあたり、日本TCSが2023年10月から開発および構築を支援した。クボタから提供された大規模地震時の膨大な管路被害データ、地震時における管路挙動の実験データ、管路分布の衛星データなどを分析。何百、何千通りにも及ぶ試算を実施し、被害との関連性が高く予測精度の向上に最も貢献する「特徴量」を導き出した。さらに、クボタが長年培ってきた専門的なドメイン知見をデジタル上で掛け合わせ、管路分布や管路形態を忠実に再現可能な計算システムと断水エリア予測システムを構築した。

 同システムの導入により、従来の手法を上回る精度で、管路一本一本の単位での具体的な被害予測が可能となった。これにより、水道事業者は本当に更新が必要な危険度の高い管路を的確に特定できるようになり、限られた経営リソースを最適に配分した効率的な耐震化計画の策定が実現する。また、災害時における迅速な意思決定や復旧の効率化、地域社会の安全・安心なまちづくりにも寄与すると期待されている。

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ハザード被害AI予測システムによる被害予測結果、管路単位でより高精度な被害予測が可能

 クボタパイプシステム事業部パイプネットワーク技術部第四課担当課長の金子正吾氏は、「日本TCSの高度な分析技術と当社の蓄積データを組み合わせることで、従来手法よりも高精度なシステムを開発できた。最も苦労した特徴量の選定において、何百、何千通りもの試算を実施して最適な組み合わせを導き出していただいた。地震という自然災害が対象である以上、被害を100%完璧に予測することは困難だが、今後もさらなる精度向上を目指してブラッシュアップを進めていきたい」とコメントしている。

ニュースリリース