ゲットワークスは、生成AI時代に向けた取り組みの一環として、水冷GPUサーバー「Dell PowerEdge XE9680L」を採用した。6月17日、デル・テクノロジーズが発表した。生成AIの利活用を支える高性能なインフラを構築するとともに、省スペース化と省電力化を目指す。
ゲットワークスは、コンテナ型データセンターを開発・運営し、再生可能エネルギーを活用したデータセンターの開発や運営を行っている企業だ。生成AIの利活用が急速に広がる中、GPUサーバーが発する大量の熱や消費電力が大きな課題となっていた。特に従来の空冷方式では高性能GPUの発熱を十分に冷却できず、効率的な運用が困難であったことから、同社は水冷コンテナデータセンターの開発に着手した。
その中核となる製品として採用されたのが、最新の高性能NVIDIAのGPUを最大8基搭載可能なPowerEdge XE9680Lだ。水冷版GPUサーバーの供給が制約される市場環境において、デル・テクノロジーズがグローバルサプライヤーならではの製品供給力により迅速な提供を実現できることが、導入の決め手となった。さらに、サーバー管理機能であるiDRAC(Integrated Dell Remote Access Controller)がゲットワークスの管理ツールとスムーズに連携し、水冷環境で特に重要となるサーバーの状態管理や温度監視をリアルタイムに実施できる点も採用理由の一つとなった。
導入にあたり、デル・テクノロジーズのサポートが貢献した。現地調査から設置に至る一貫したソリューションであるRack Integration Service(RIS)により、重量のある水冷GPUサーバーの搬入や設置がスムーズに行われ、迅速な導入が実現した。
同システムの導入で、空冷GPUサーバーと比較してシステム全体の消費電力を最大約30%削減した。加えて、コンテナ内の環境温度への影響が小さく、空調電力を約10分の1に削減することに成功した。また、サーバー設置スペースを空冷GPUサーバーの2分の1以下に削減したことで、同一コンテナ内でより高密度なコンピューティング環境を実現している。さらに、騒音を約40%低減し、コンテナ内の作業性と居住性を向上させた。同社施設の特性である井戸水や河川水を活用した自然冷却と、導入製品の省電力性能の組み合わせにより、環境負荷の軽減にもつながっている。
今後は、国内各地に水冷コンテナデータセンターを展開し、それらを仮想的に結ぶことで、柔軟で持続可能なデータセンター環境を構築することを目指している。生成AIの利活用が進む中、水冷GPUサーバー環境を迅速に提供できる体制を整え、顧客の多様なニーズに応えていく。
ゲットワークス執行役員事業統括部長の林竜太朗氏は、生成AIの進展に伴い水冷コンテナデータセンターへのニーズはますます高まると考えているとし、空間に限りのあるコンテナ内で同じスペースにより多くのサーバーを設置でき、より多くのコンピューティングパワーを得られるのはメリットが大きいと語る。同製品は、高密度な実装や大幅な省電力、省スペース化を実現し、生成AI時代における新たな可能性を切り開いてくれたと評価している。