IJTTは、真岡工場における設備保全業務の強化を目的に、八千代ソリューションズが提供する工場管理システム「MENTENA」を採用した。6月17日、八千代ソリューションズが発表した。紙ベースの運用から脱却して保全業務を一元化・可視化することで、修理着手にかかる移動時間などのタイムロスを削減。現場からは1日あたり約2時間の工数削減が報告されており、創出した時間を若手社員の教育や高度な保全作業へ充てることで技術伝承の強化にもつなげている。
IJTTは、自動車や建設機械、産業用ロボットなどの主要部品を製造・販売する企業だ。自動無人ラインを多数保有する真岡工場では高効率な生産体制を整えているが、従来は生産設備に不具合が生じた際、点検結果の紙への記入や修理依頼書の発行、事務所でのExcel転記などに多くの手間のほか、現場と保全ステーションを往復する「歩行ロス」による伝達のタイムラグが発生していた。また、蓄積された膨大な紙資料では過去の修理履歴の検索や修理時間のリアルタイム集計が容易ではなく、情報のブラックボックス化や運用限界が長年の大きな課題となっていた。
加えて同社には、AIをはじめとする革新的な先端技術を将来的に自社のものづくりへ活用するため、それらを受け止めるためのデジタル化された「現場の基盤づくり」が急務であるとの強い危機感や問題意識もあった。大手企業でも活用されている実績の安心感なども決め手となり、100年先も進化し続けるための不可欠な現場のインフラ整備としてシステムへの投資を決めた。
導入後は、すべての設備にQRコードを貼り付ける運用を開始した。不具合の発生時には現場でQRコードを読み取るだけで、型式や過去の修理履歴がその場で表示され、タブレットから直接修理依頼書を発行・送信できる仕組みを構築。これにより保全技術者は、添付された写真入りのデータから事前に故障状況を予測し、必要な準備を整えてから現場へ向かえるようになった。
システムの稼働により物理的な移動時間が減少し、リアルタイムな情報に基づいた効率的な保全が実現した。画面上で各設備の故障状況を把握できるようになったことで、修理の優先順位も的確に判断可能となった。さらに、削ぎ落とした事務作業や移動時間によって生まれた1日2時間の余力を、上長と若手が一緒に行う高度なオーバーホールなどの作業に充てることが可能となり、現場における技術の継承と品質の追求を両立させている。
今後は、アナログ管理から可視化された設備データを活用し、故障の兆候を事前に捉えて対策を講じる「予防保全」へのシフトをさらに加速させる。将来的にはシステムを振動センサーなどの外部技術と組み合わせることで、設備が突発停止する前に異常を検知する一歩進んだ体制を構築し、最終的な目標である「故障ゼロ」と「止まらない設備」を目指す。