鹿島、鋼管柱への生コン充填の異常検出AIを開発 品質管理を迅速化

2026年7月9日09:00|ニュースCaseHUB.News編集部
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 鹿島は、CFT構造の鋼管柱内コンクリート充填作業における異常検出をAIで支援するシステムを開発した。7月8日、AIシステム開発を共同で行ったRidge-iが発表した。遠隔管理システム「moni-as」に同機能を実装したことで、専門知識を持つ技術者の立ち会い負担を軽減し、異物混入などの異常事態へより迅速に対応できる環境を整えた。

 鹿島は、大手総合建設会社として国内外のインフラや建築、土木事業を手がけている。建築物の強度を高めるCFT構造は、鋼管柱の内部にコンクリートを充填する仕組みだが、十分な品質を確保するためには緻密な管理が欠かせない。コンクリート充填時に万が一異物混入などの異常が生じた場合、速やかに作業を中断するなどの適切かつ迅速な判断が求められる。従来は施工担当者や専門知識を持つ技術者が、長時間の作業に付きっきりで立ち会う必要があり、現場の大きな業務負担となっていた。鹿島はこれまでにも、映像を用いて遠隔地から施工状況を確認できるシステムとしてmoni-asを展開してきたが、さらなる品質管理の高度化と負担軽減に向けて、人による異常検出をAIで補強する仕組みづくりを模索していた。

 こうした課題を解決するため新たに開発されたシステムは、これまでにmoni-asの運用で蓄積してきた2000時間以上におよぶコンクリート充填映像の学習データに、鹿島が持つ独自の施工ノウハウを組み込んで構築された。専門技術者と同等の高い判断基準で映像から異常を検知できる点を強みとする。今回のシステム開発では、高度なAIソリューションの開発・提供を行うRidge-iの支援を受けた。

 同システムでは、設計強度に悪影響を与えるペットボトルなどの「鋼管柱内の異物」、時間や材料で常に変化する「コンクリート性状」、適切な充填速度を算出するための「ダイアフラムの通過タイミング」の3項目をAIが同時に映像監視する。診断結果は正常、注意、異常の3段階で画面上に分かりやすく色表示され、判断の根拠となる詳細レポートの確認も可能だ。システム基盤には、さくらインターネットが提供するGPUクラウドサービス「高火力VRT」を採用しており、映像の低遅延配信と組み合わせることでリアルタイムな複数項目の診断を実現している。

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検証のためモックアップに混入させたペットボトルを検出する様子と診断レポートの例

 事前に実施したモックアップ試験では、意図的に混入させた異物の検知や性状の変化などを高精度かつリアルタイムに診断できる成果を確認した。すでに複数の実現場へ導入を開始しており、従来通りの高い施工品質を維持できる実用性を証明した。

 今後は、本システムのさらなる性能向上に向けた研究開発を両社で継続し、建設現場におけるコンクリート充填作業の確実な品質確保と、遠隔管理による効率化をより強固に進めていく。

ニュースリリース