スター精密、Notion導入で情報集約とAI活用本格化 利用率は90%に

2026年7月9日09:00|ニュースCaseHUB.News編集部
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 スター精密は、国内全社のナレッジ基盤として、ワークスペース「Notion」および「Notion AI」を採用した。7月8日、Notionを提供するNotion Labs Japanが発表した。ドキュメントやプロジェクト管理などの情報を一括して集約できる環境を整え、日常業務のフローにAIを組み込むことで、組織全体の生産性向上と高い定着率を達成している。

 スター精密は静岡県静岡市に本社を置く工作機械・電子機器メーカーだ。自動車や医療分野などで使用される精密部品を製造する自動旋盤と、店舗などでレシートやラベルを発行するために使われる業務用小型プリンターの2つの事業を展開している。

 導入前の背景として、同社では経営層の強い意思のもと、全社の生産性向上と競争力強化に向けて、情報システム部門がAI活用を最優先事項として掲げていた。しかし現場の課題として、従来の生成AIはチャット型にとどまり業務フローと切り離されていたため定着が進んでいなかった。また、社内のナレッジやデータが業務システム、クラウド、ファイルサーバー、ローカルPCなど各所に分散しており、情報の検索や引き継ぎ、意思決定に多大な時間を要していた。

 こうした課題を抜本的に解消するため、同社は2025年下期より情報システム部内でNotionのトライアル利用を開始した。ドキュメント、データベース、タスク、プロジェクトの管理機能とAIが一体化したプラットフォームとしての有効性を検証した上で、2026年初頭に国内全社への展開を正式決定した。

 採用にあたっては、統合された業務基盤の中にAIが組み込まれていることで日常業務の中にAIを自然に定着させられる点を評価した。また、AIミーティングノートやエンタープライズサーチなど、導入初期から現場が効果を実感しやすい機能が標準搭載されている点や、部門ごとの課題に合わせた業務特化型AIを現場主導で内製できる拡張性の高さも決め手になった。

 2026年春より段階的に国内全社の約550名に展開したところ、月次アクティブユーザー率は約90%に達した。日常業務のフローにAIが組み込まれたことで、28日間におけるAI活用は従来のチャット型ツールの約4倍を記録している。具体的な活用例として、社内ナレッジや過去の問い合わせ履歴を参照して自動回答する「QAヘルプデスク」を整備しており、オペレーターへの通知やチケット起票までの自動化を達成している。

 スター精密情報システム部長の澤井泰範氏は、生成AIは単体のチャットツールとして導入するだけでは現場の業務フローに定着しづらいという課題があったと指摘する。Notionを採用した理由は、日常業務そのものにAIが組み込まれており、ナレッジ活用と改善活動を同じ基盤で回せると判断したためだ。今後はカスタムエージェントの活用も含め、問い合わせ対応や情報探索、会議運営といった定型業務の負荷を下げながら、より価値の高い業務に時間を振り向けられる体制を整えていきたいとしている。

 今後は、製造現場における作業手順書FAQへの応答や不具合事例検索、マニュアルの多言語化、改善提案受付ポータルの運用など、技術伝承や新人教育の効率化にNotion AIを活用していく計画だ。さらに、各部門が業務課題に応じたAIを自ら構築・運用できる体制づくりを進め、今後1年程度でアクティブ率100%を目指す。

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