はなさく生命保険は、ダイレクトチャネル経由の契約者サポート強化を目的に、Micoが提供するAIコールサービス「Mico Voice AI」を採用した。7月13日、Micoとアグレックスが発表した。保険料の未収による意図しない契約失効を防ぐため、アグレックスのコンタクトセンター運営ノウハウを融合した新たな保全モデルを構築。実証実験では契約失効率が約5%改善し、ライフタイムバリューベースの試算で投資対効果300%を見込んでいる。
はなさく生命保険は、日本生命グループの生命保険会社で、医療保険・死亡保険・変額保険などを、Web申込中心のリーズナブルな商品として提供している。同社では、新規保険契約者の約3割を占めるダイレクトチャネル契約者へのフォロー体制が課題となっていた。代理店経由の契約者とは異なり継続的なサポートが行き届きにくく、契約継続率は低い傾向にあった。特に、保険料の未収に伴う意図しない契約失効は、顧客が気づかないうちに保障を失うだけでなく、健康状態によっては再加入が困難になるリスクをはらんでいる。同社はこれまで郵便物やSMSによる一方通行の通知を行ってきたが、限られた人員の中でより確実につながる双方向のコミュニケーション手段を模索していた。
こうした課題の解決に向け、同社はAIコミュニケーションプラットフォームを持つMico、および顧客対応パートナーであるアグレックスと共同で実証実験を行った。LINE登録者にはLINEでアプローチし、未登録者にはAIコールやRCS(電話番号宛てに画像や長文も送れる次世代SMS)を活用するチャネル別の施策を展開した。また、AIコールでつなげられなかった顧客には自動でSMSを送信するマルチタッチ設計を導入したほか、AIコールから有人コールセンターへ接続する転送動線を整備した。
採用されたMico Voice AIは、人間らしさにこだわった音声が特徴のAIコールサービスだ。アグレックスの伴走支援のもとで管理業務の棚卸しや運用の具体化を進めた結果、従来は1から2施策が限界だった保全施策を、3から4施策同時に推進できる体制へと拡充した。
実証実験の結果、AIコールの接続率は約40%に達し、応答した顧客の95%に要件を伝えることができた。音声による連絡が記憶に残りやすく、SMSとの併用が効果を発揮した。また、自動音声に対する苦情は1件も発生しなかった。転送動線を通じて有人オペレーターがつながることで、支払い忘れの顧客に気づきを与えつつ、一括払いが難しい顧客には分割支払いを案内するなど、顧客の状況に応じた能動的なサポートが可能となった。
実証実験の成果を受け、同社はすでに本運用へと移行している。はなさく生命保険CRM推進部課長補佐の渡邊真人氏は、「今回の取り組みによりこれまで一方通行だったお客様へのコミュニケーションが、お客様一人ひとりの状況に合わせた双方向のサポートへと変わり、失効率の改善という結果につながった。今後もお客様への最適なサポートを実現していく」とコメントしている。今後はLINE、AIコール、SMS、有人対応を連動させたオムニチャネル体制の構築を目指す。