アクティオは、サプライチェーンの最適化やガバナンスの強化を目的に、AIを活用した調達業務の自動化システムを構築する。システム開発ベンダーとして日本IBMを選定した。7月13日、日本IBMが発表した。2026年9月を目標に、都度見積もりによる間接材調達業務への適用を開始する。見積確認から調達システムへの発注情報登録までの一連の業務をエンドツーエンドで自動化し、業務負荷の軽減や品質の安定化を進める。
アクティオは、建設機械レンタルを中核事業として社会インフラを支える現場に向け全国規模で事業を展開している。同社では、全国の拠点網と多様な事業領域を背景に、間接材の調達件数が年間約23万件に達し、その半数を都度見積もりが占めている。建設現場のニーズへ迅速に対応するため、調達業務には高いスピードと正確性が求められる一方、取引先数や取扱品目の多さから業務は複雑化していた。従来は担当者が取引先ごとに異なる形式の見積書を確認し、品名や金額を手作業で調達システムに入力していたため、業務負荷の増大に加え、入力ミスや確認漏れのリスクが課題となっていた。
さらに、事業拡大に伴い、調達業務におけるガバナンスの強化やルール徹底の重要性も高まっていた。特に見積内容と申請内容の整合性確認や、値引き、送料などの条件確認は、統制上重要である一方で担当者にとって大きな負荷となっていた。こうした課題に対し、同社は拠点ごとの個別改善ではなく、業務の集約と調達プロセスを見直し、ガバナンスを組み込む抜本的な変革に着手した。
システムの開発にあたっては日本IBMの支援を受け、2025年夏よりAIを活用した調達業務の見直しとプロセスの再設計を進めてきた。アプリケーションの実行基盤には「IBM Cloud」を採用している。
新システムでは、数千社の取引先から届く多様な形式の見積書をAIが約5分ごとに自動で読み込み、継続的に処理する。取得された見積書は、AIにより品名、数量、単価、金額に加え、値引きや送料の有無など複合的な条件の整合性を統一された基準で確認する。その上で、見積確認から発注登録までを一連のワークフローとして処理し、判断を伴う業務も含めて一貫して遂行するプロセスを構築した。さらに、従来は紙やPDFに分散していた取引実績やコスト構造などの調達データを構造化、可視化することで、データに基づく意思決定と継続的な改善を可能にしている。なお、最終的な発注承認は従来通り人が行い、プロセスによる標準化と人による判断を組み合わせた運用とする。
これにより、従来のプロセス間で発生していた人手による転記や確認の負荷が軽減されるとともに、判断基準の統一による業務品質の安定化が期待されている。今後は、蓄積されたデータの利活用を通じて、カタログ調達への誘導やサプライヤーの集約、コスト削減施策の推進など、調達機能のさらなる高度化を図っていく。