コクヨは、新規事業における立ち上げ期のサービス価値の言語化と顧客サポートの強化を目的に、LOOVが提供するプレゼン自動化AI「TALKsmith」を導入した。7月14日、LOOVが発表した。組織成長ソリューション「TEAMUS(チームアス)」を展開する部門で活用を開始しており、アポイント獲得から商談当日までの情報提供に動画を取り入れることで、商談時における説明コストの削減と顧客理解の深化を図る。
コクヨは文具やオフィス家具などの提供を通じて長年「働く」現場の課題解決に向き合ってきた。同社は2025年5月、新規事業として、組織サーベイを通じてチームの現状を可視化するだけでなく「気づく・変わる」のプロセスまで伴走支援するソリューション「TEAMUS」を立ち上げた。しかし、立ち上げ期において「コクヨがなぜ組織開発を手がけるのか」というブランドの先入観が障壁となり、商談本題に入る前の説明コストがかさむ課題を抱えていた。また、独自のサービス価値やコンセプトが伝わりにくい点に加え、提案の切り口がメンバー間で属人化し、一貫したメッセージが届かない懸念もあった。
こうした課題に対し、同社は視聴者の関心に合わせてシナリオが変化し、対話のような情報提供が可能なTALKsmithの採用を決めた。既存のサービス資料や商談の録画データを読み込ませるだけで、AIが多様なプレゼンシナリオや分岐案を自動生成・提案する機能が、導入や動画作成のハードルを下げる決め手となった。
実際の運用では、商談のアポイント獲得から商談当日までの期間に、顧客に視聴してもらう「アポ前動画」として導入した。動画の設計において、入り口となる組織課題の選択肢をあえて粗い粒度に設定することで、顧客の関心ポイントを事前につかみつつ、中長期的なビジョンに合わせた的確な提案準備を商談前に整える体制を構築した。
本格運用を始めた段階ではあるものの、動画制作のプロセス自体が自社の提供価値や発信するメッセージを整理・定義し直す契機になるなどの成果が現れている。また、説明や資料をAIによって柔軟に動画化・編集できるため、リソースが限られる新規事業の立ち上げにおいても効果的なアプローチが可能になった。
今後は、契約後における顧客企業内での現場浸透用メッセージの共有、稟議書作成プロセスのサポートのほか、ユーザーから直接的なフィードバックを得るためのアンケートなど、繰り返し丁寧な説明を要する多様な業務フェーズでの活用展開を見込んでいる。