JVCケンウッド山形は、製造現場におけるヒューマンエラーの防止と製品品質のさらなる向上を目的に、ハイオスのカウンター付き電動ドライバー「熟練工」シリーズを採用した。7月14日、ハイオスが発表した。北米の公共安全市場向け業務用無線機などの生産ラインに導入されており、生産管理システムと連動させてネジの締め忘れや本数ミスを防止するとともに、作業者の身体的負荷の軽減を進める。
JVCケンウッド山形は、警察や消防、救急といった極限の堅牢性が求められる公共インフラ向けの業務用無線機器や、最高峰のアマチュア無線機の製造を手がける生産拠点だ。同工場の主力製品である北米向け無線機は、米国国防省制定MIL規格に準拠した優れた防塵・防水性能と高い耐久性を備え、過酷な現場を支える製品として確固たる信頼を確立している。
同工場におけるハイオスの電動ドライバー導入は、10年以上前に遡る。当時、1台あたり約300本ものネジを使用するハイエンドのアマチュア無線機の生産を開始するにあたり、締め忘れや締め本数ミスをいかに防ぐかが品質管理上の大きな課題となっていた。こうした課題を解決するため、作業性に優れ、本数カウント管理が可能なハイオスのカウンター付き電動ドライバーの本格的な導入を決めた。現在は、工場全体で200本を超える規模にまで導入が広がっている。
導入された電動ドライバーは、同社の生産管理システムと緊密に連動して運用されている。作業用のモニター画面には工程ごとの指示が表示され、トルクやネジの種類が異なる複数の製品が混在するラインであっても、誤ったドライバーを手にした場合には動作しない制御システムを構築。自動的に正しいドライバーのみを動作させることで、機種切り替えに伴うドライバーの物理的な入れ替え作業をなくし、ヒューマンエラーを構造的に排除する生産環境を実現した。
また、電動ドライバーの優れた機能性は、精密機器の組み立て品質向上や現場の作業負担軽減に寄与している。軸ブレや振動が極めて少ないため、精密部品が密集する無線機内部の破損リスクを抑制している。加えて、スリムで握りやすいグリップ形状は、作業員の大半を占める女性従業員からも高い評価を得ており、従来のエア式ドライバーと比べて作業時の疲労感を和らげている。さらに、毎日の始業点検において設定トルクのズレがほとんど発生しないことから、品質管理業務の安定にもつながっている。
JVCケンウッド山形は、製品の長寿命化に伴う長期間の修理やメンテナンスへの対応力を強みとしており、ねじ締め工程の品質確保は製品価値を担保する極めて重要なプロセスとなっている。今後も作業者に配慮した先進的なデジタルデバイスとしての工具活用を推進し、グローバル市場で勝ち抜く高品質なモノづくり体制を堅持していく。