多摩信用金庫、AIビジネスマッチングシステムで本業支援を高度化

2026年7月20日16:17|ニュースCaseHUB.News編集部
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 多摩信用金庫は、営業店が把握した顧客の事業ニーズを全店横断で活用するため、新たなAIビジネスマッチングシステムを導入した。システムの開発にあたっては、neoAIの個別開発サービス「neoAI Enterprise」による支援を受けた。7月17日、neoAIが発表した。完全一致のキーワード検索に頼っていた従来の手法を見直し、互いに補い合える最適な相手先をスピーディに見つけ出すことで、地域金融機関としての本業支援の質と速度を向上させる。今回の取り組みにより、直近月では登録されたニーズの3割以上が実際のマッチングへ進む成果が出ており、今後は創出された時間を対面での顧客支援活動へ振り向ける。

 多摩信用金庫は、東京都多摩地域を地盤に地域密着型の金融サービスを展開する信用金庫である。約3万5000先の取引先を擁し、経済産業省のDX認定を取得するなどデジタル技術の活用を積極的に進めている。同金庫ではこれまで、営業店の職員が渉外活動を通じてヒアリングした顧客のニーズを社内掲示板で共有し、マッチング相手を探していた。しかし、従来の仕組みは完全一致のキーワード検索しか行えず、表記ゆれや言い回しの違いによって最適な候補を見落とす課題があった。また、ニーズの登録内容や詳細度が担当者のスキルに依存してばらつくため、検索に必要な情報が十分に揃わない属人化の問題も抱えていた。

 こうした背景から、同金庫は2025年8月に全職員向けに導入した生成AIプラットフォーム「neoAI Chat」による閉域環境での実績を踏まえ、本格的なビジネスマッチングAIの共同開発を決断した。選定にあたっては、機密性の高い顧客情報を安全に扱える閉域接続環境であることに加え、現場の業務フローに踏み込んだ個別カスタマイズが行える柔軟性を評価した。開発プロジェクトはPoCや要件定義を含めて約9カ月に及び、長期運用に不可欠な人事異動への対応といった信用金庫の実務に即した業務アプリケーションとして設計された。

 導入された新システムでは、営業担当者が面談メモや議事録を入力すると、生成AIが内容を読み取って業種や地域、取引条件、提供できる価値などの観点で情報を自動的に整理して構造化する。候補の提示においては、単に類似した企業を並べるのではなく、探している側と提供できる側という相互補完性に着目して最適な相手を推薦する仕組みを構築した。さらに、入力内容に不足がある場合はAIが追加入力を支援する機能を備えており、日々の実務を通じて職員のヒアリング力向上や人材育成にも寄与している。

 本番稼働後の直近月には、約500件のビジネスマッチングニーズが登録され、そのうち3割以上が実際のマッチングへと進む成果が出ている。情報入力の時間が短縮されたほか、ニーズに合致する相手先がすぐに見つかるなど、現場の課題解決スピードが向上している。

 多摩信用金庫理事長の金井雅彦氏は、これまで人の目と手で膨大な登録情報から探していたものが、AIの活用により一瞬で抽出できるようになったと話す。これにより生まれた時間を新たなお客さまと向き合う対面活動に振り向けることができるとし、今後は蓄積された生きた口座データや決算データの解析にもAIを活用し、事業承継や再生支援など企業の各ステージに応じた高度な支援体制を確立していく。

ニュースリリース