東日本旅客鉄道(JR東日本)は、駅前広場などの公共空間利活用を活性化させる新規事業「HirakeBA」において、AI駆動開発を採用した新たなWebプラットフォームを構築した。システムの開発パートナーとしてヘッドウォータースが参画し、7月17日に同社が発表した。設計から実装、レビューにいたる全工程にAI駆動開発を適用したことで、同一スコープにおける同社試算比で開発工数を約92%削減し、開発期間を約47%短縮。複雑な利活用手続きをワンストップ化し、地域のにぎわい創出に向けた迅速な事業立ち上げを達成した。今回の取り組みにより、従来の開発手法と比べて劇的な生産性向上を実現し、公共空間の管理者と利用者をデジタル上で円滑につなぐサービス基盤を確立した。
駅前広場をはじめとする公共空間は、地域住民や来訪者、イベント主催者など多様な関係者が交わる重要な接点であり、まちのにぎわいづくりや人流創出のポテンシャルを秘めている。しかし、これらを継続的に利活用するにあたっては、利用予約や行政などへの各種申請、関係者間の連絡・調整といった多岐にわたる煩雑な業務が発生し、複数の関係者にまたがるプロセスを円滑に循環させる仕組みが存在しないことが課題となっていた。JR東日本はこの現場課題を踏まえ、公共空間の予約から申請、審査、承認、決済までをWeb上でワンストップ化するプラットフォーム「HirakeBA」の立ち上げを計画し、手続きのデジタル化による魅力的なまちづくりの環境整備を進めていた。
新規事業の迅速な立ち上げにあたり、JR東日本は開発プロセス全体にAIを組み込むヘッドウォータースの「AI駆動開発」を導入した。単なる作業補助としてのAI活用にとどまらず、要件や仕様から実装が逸脱しないよう制御する「仕様駆動開発」の考え方を融合。さらに、ヘッドウォータースが独自に体系化したAIエンジニアリングOS「SAIDDar」を反映させることで、開発の知見や手順、品質管理を標準化し、属人性を排除した確実な再現性と高い開発スピードを両立させた。
実際の開発にあたっては、事業側と技術側を密接につなぐ「FDE(Forward Deployed Engineering)」型の支援スタイルを展開。広場管理者や出店者など多様な関係者のニーズとJR東日本が目指すサービス像を的確に捉え、プラットフォームの基本設計やUI実装、API開発、クラウド環境の構築を一気通貫で推進した。全工程における徹底したAI駆動開発の適用により、従来の開発手法と比較して開発工数を約92%削減、開発期間を約47%短縮するという生産性を実証した。
JR東日本は、今回構築したデジタル基盤を通じて関係者間の手続きや調整のハードルを下げ、地域固有の個性を活かしたにぎわいのある持続可能なまちづくりの実現と、市民・来訪者への新たな体験価値の提供を目指していく。