宮崎県庁は、DeepLが提供する音声ソリューション「DeepL Voice」を活用し、会議でのリアルタイム文字起こしを開始した。8月26日、DeepLが発表した。聴覚障がいのある職員を含む全員が迅速に情報共有できる環境を整え、業務や会議の準備負担を軽減した。
宮崎県庁では従来、議事録作成用の文字起こしソフトウェアを利用していた。だが、従来のツールはパソコンへのインストールやUSB接続を要し、利用場所や運用面での制約があったほか、機能やコストの面でも課題を抱えていた。
そこで同庁は複数の音声認識・文字起こしツールを比較検討し、リアルタイムでの高い認識精度、コストを抑えながら品質を維持できる費用対効果、専用機材や複雑な設定を必要とせずタブレット端末のみで即時操作できる利便性を評価し、2026年5月からDeepL Voiceの利用を始めた。多言語翻訳向けとして知られる同製品を、日本語音声から日本語テキストへの文字起こし用途として運用している。
同庁では会議の形式や目的に応じて運用方法を最適化している。多人数の対話型会議では2〜3人に1台のタブレットを配置してグループ会話機能を活用。少人数の会議や研修では話者ごとや聴覚障がいのある職員に端末を配置し、円滑な情報共有を図っている。
DeepL Voiceの活用により、マイクの配置やパソコンとの接続といった事前準備が不要となり、会議を速やかに開始できるようになった。職員の運用負担が軽減されただけでなく、庁内全体でアクセシビリティへの理解や意識が高まる効果も生まれている。
同庁総合政策部デジタル推進課デジタル県庁担当主事の片山峻佑氏は、「タブレットを置くだけで会議を始められるようになり、準備時間や運用負担を大幅に削減できた。パソコン環境に依存しない機動力の高いツールにより、現場の負担を抑えながら誰もが平等に情報へアクセスできる環境づくりが進んでいる。今後は会議だけでなく研修や庁内のさまざまな催しにも活用の場を広げていきたい」と話している。