ハイアールジャパンセールスは、カスタマーサポート業務の高度化を目的に、Rechoの音声AIプラットフォーム「Recho AI Voice Agent」を採用した。9月15日、Rechoが発表した。コンタクトセンター運営を担うキューアンドエーと連携し、キューアンドエーの調査によると、国内家電メーカーとして初めて、問診による修理切り分けから修理受付までをAIオペレーターが対応する体制を整えた。繁忙期の電話混雑を緩和し、応対品質と顧客満足度の向上を目指す。
ハイアールグループの日本法人であるハイアールジャパンセールスは、白物家電などを中心に国内市場で事業を展開している。同社のコンタクトセンターでは、季節変動に伴う繁忙期に電話がつながりにくくなる点が課題となっていた。家電製品のテクニカルサポートでは、顧客の曖昧な申告から不具合の状況や原因を推測し、適切な対応を判断する高度な専門性が求められる。これまでもチャットボットや従来のボイスボットを活用して業務効率化を試みてきたものの、従来の技術では臨機応変な対話や柔軟な応対に限界があった。
こうした課題を解消し、将来的な24時間対応の実現と、時期や担当者に左右されない高品質なサービス提供を目指して、新たな音声AIソリューションの検討を進めた。その結果、独自の音声認識および音声合成技術を持ち、現場の応対を定型化せずにAIが扱える仕組みを備え、複雑な応対のAI化を可能にするRecho AI Voice Agentを選定した。
選定にあたっては、人間と遜色ない自然な会話品質や、顧客の発言意図を汲み取って文脈に応じた柔軟なやり取りができる点を高く評価した。また、氏名や住所に含まれる難読漢字を正確に認識してシステムへ登録できる認識精度の高さや、対話の中から問題解決に必要なキーワードを抽出して最短の手順で回答を導き出せる点も決め手となった。
運用開始にあたっては、キューアンドエーが蓄積してきたテクニカルサポートや接遇のノウハウをRechoの音声AI基盤に組み込み、人と変わらない応対品質を追求した。2026年9月15日より、まずは問い合わせの多い洗濯機カテゴリーを対象にAIオペレーターの運用を開始している。顧客からの電話に対してAIが対話形式で不具合の症状を問診し、故障箇所の切り分けから修理の受付手続きまでを自動で完結させる。
新体制の整備により、AIオペレーターのみの対応で95%以上の解決率を目指す。将来的には、入電全体の約60%をAIで完結させる計画だ。これにより、季節要因による問い合わせ急増時にも対応しやすい受付体制を整え、時期を問わず安定した応対品質の維持を目指す。
今後は、音声AIが対応する製品カテゴリーを順次拡大していく方針だ。定型的な問い合わせや一次対応をAIが担い、より複雑な相談や高度なサポートに人間のオペレーターが専念するハイブリッド型のコンタクトセンターを構築する。これにより、オペレーターの業務負担軽減とスキル向上を図りながら、顧客体験のさらなる向上を推進していく構えだ。