JBCCホールディングスは、Oktaが提供するIDセキュリティ態勢管理サービス「Okta Identity Security Posture Management(Okta ISPM)」をグループ全社のITシステムに導入した。9月15日、JBCCホールディングスが発表した。社員IDの利用状況や権限を継続的に可視化する仕組みを構築し、IDを起点とするサイバー攻撃への防御態勢を強化した。今後はAIエージェントなどの非人間アイデンティティ(NHI)にも対象を広げ、自社運用で得た知見を顧客支援に生かしていく。
AIが業務現場へ浸透するにつれ、企業内では社員IDだけでなく、非人間アイデンティティ(NHI)と呼ばれる人間以外のデジタルIDが急増している。NHIは、AIエージェントや自動処理プログラム、APIキー、アクセストークンなどを含む。自律的な処理や外部サービスへのアクセスのために発行されることから、過大なアクセス権限が付与されやすく、利用状況や権限の継続的な把握が不十分な場合、不要なIDや過剰権限が残存するリスクがある。また、人にひも付かないため、退職や異動に伴う削除などの管理が行き届きにくく、有効なまま放置される休眠IDが生まれやすい。
JBCCグループでは社員約2000人に加え、業務効率化を目的に構築したAIエージェント約1800体が稼働している。自社内におけるIDリスクの早期把握や対処を進めるため、Okta ISPMをまず自社環境へ先行して採用した。
Okta ISPMは、複数システムに点在する人間とNHI双方のID権限や利用状況を横断的に可視化し、不正アクセスが起きる前にリスクを検知するサービスだ。AIがリスクを自動で特定・分類し、過剰な権限を持つIDや長期間使われていない休眠IDなどを検出する。深刻度に応じた対応の優先順位と推奨される対処策を提示し、担当者による修正、または事前設定したルールに基づく自動修正によって、迅速なリスク低減を支援する。
今回の導入により、社員IDの権限や利用状況を継続的に可視化する仕組みを構築した。今後は防御対象をソフトウェアやAIなどのNHIへ拡大し、複数システムに分散するIDを一元的に可視化しながら、リスクの早期発見と是正を進める。自社の可視化・是正プロセスを通じて蓄積した知見を基に、顧客のIT環境や業務体制に合わせたリスク低減支援を展開していく。
同社は現在、企業の継続的なAI活用を支える基盤「AI Orchestration Platform(AIOP)」の構築を進めており、セキュリティを重要ソリューションの一つに位置づけている。今後はOkta ISPMなどの技術を取り込みながら機能群を強化し、企業のAIトランスフォーメーション支援を加速させる。