ニチレイフーズ、普及型分光カメラで冷凍食品原材料の異物検査を自動化

2026年9月16日09:00|ニュースCaseHUB.News編集部
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 ニチレイフーズは、ソニーセミコンダクタソリューションズの短波長赤外(SWIR)イメージセンサーとマルチバンドフィルターを搭載した「普及型分光カメラ」を採用し、原材料受け入れ工程における異物検査システムを構築した。9月15日、ソニーセミコンダクタソリューションズが事例を公開した。一般的なカラーカメラでは判別が難しい異物の検知精度を高め、検査工程の自動化を図る。今後は他の工場への展開も視野に入れ、品質管理体制の高度化を目指す。

 冷凍食品を中心に家庭用や業務用の加工食品を展開するニチレイフーズでは、消費者に安全な食品を届けるため、原材料の調達から製造に至る各工程で厳格な品質管理を行ってきた。特に製造の起点となる原材料の受け入れ工程では、原材料に混入した異物を早期に発見して排除することが極めて重要となる。しかし、食品製造の現場では、透明なプラスチック片などの視認しにくい物質や、原材料と色合いが極めて似通った異物の検出が長年の課題となっていた。

 従来、原材料の検品には目視検査や一般的なカラーカメラを用いた画像検査が用いられてきた。だが、色味が同化している異物や透明素材は可視光による判別が難しく、作業者の経験や注意力に頼らざるを得ない側面があった。そのため、検査精度のさらなる均一化や、作業負荷の軽減に向けた自動化技術の確立が求められていた。

 こうした背景を受け、ニチレイフーズは、ソニーセミコンダクタソリューションズが提案する普及型分光カメラの撮像技術に着目した。同技術は、SWIRイメージセンサーとマルチバンドフィルターを組み合わせ、複数波長の情報を取得するものだ。ニチレイフーズは、この情報を組み合わせることで、色や形が似た異物と原材料の素材差を捉えられる点を生かし、自社の画像処理技術やAI技術と組み合わせて、原材料受け入れ工程における異物検査の自動化に活用した。

 ニチレイフーズは同カメラの撮像技術に、自社で培ってきた画像処理技術やAI技術を組み合わせた異物検査装置を開発し、船橋工場で実稼働している。例えば、細かく刻まれたネギの受け入れ検査では、目視やカラーカメラでは判別が難しい異物についても、複数波長の情報を用いて原材料との違いを捉え、自動検出に活用している。

 新システムの稼働により、これまで人の目に頼っていた難易度の高い異物検知が自動化され、検査基準の統一と見落としリスクの低減に効果を上げている。検査員の作業負担の軽減にもつながるほか、原材料受け入れ段階で異物を検知することで、後工程へ異物が持ち込まれるリスクの低減に寄与する。

 今後は、船橋工場での運用で得た知見を生かし、各工場やさらなる製造ラインへの展開が期待される。原材料受け入れ工程の検査高度化を通じ、食品の安全・安心を支える品質管理体制の強化につなげる考えだ。

ニュースリリース