アーモンドやナッツなどの輸入と加工、卸売を手がけるユニオン商事は、アーモンドの選別ラインに、ロビットのAI外観検査装置「TESRAY Gシリーズ」を導入し、本格稼働を始めた。熟練のパート社員の目視に頼っていた選別を自動化し、検査品質の標準化と将来の労働力不足への対応を図る。10月23日、ロビットが発表した。
ユニオン商事は、全従業員の約半数が、アーモンドの選別工程に従事する。高い熟練度が求められ、新しい作業員が、ベテランと同じ水準の精度を出すのは難しい。主力のパート社員の高齢化が進み、10年後には、半数以上が定年を迎える見通しで、属人化した工程の自動化と標準化が、急務だった。目視の選別は、作業員の体調によって精度に差が出やすく、品質を一定に保ち続けるのが難しい。人手と時間を要する工程で、本来は価格への転嫁が必要だが、価格競争が激しく、スムーズな改定は難しい。最低賃金などのコストが年々上がり、抜本的な対策を迫られていた。
精度の面では、アーモンドの可食部(仁)と殻が同系色のため、目視では、殻つきの粒を、まれに見落とした。従来の色彩選別機も、同じ色の異物の判別は、原理的に難しい。コンベア上で、表面に異状がなくても、裏面に殻が刺さっている場合があり、目視と機械の双方で、見落としの大きな要因になっていた。
TESRAY Gシリーズは、食品や農作物の原料向けのAI外観検査ソリューションだ。検査の対象が空中を落下する間に、AIが高速で判定し、着地する前に、異常品だけをエア噴射などで排出する。色の違いに加え、形状のいびつさや、対象物と同じ色の殻、異物も、1台の装置で、高精度に検出できる。ロビットは、検査工程に必要なAI、撮像、ロボティクスなどの基幹技術をすべて内製しており、現場の処理能力や選別環境に応じた調整やカスタマイズが可能だ。
ユニオン商事は、展示会「FOOMA JAPAN」で、この装置に出会った。ロビットの担当者が「当社の技術なら確実に自動化できる」と自信を示し、自社のワークで検証を重ねて、処理能力と精度を確かめた。同系色の異物まで質感で見極める技術と、既存のラインに組み込めるコンパクトさが、決め手になった。設備の安全な稼働と、安定した生産を願う神事を行い、伊藤彰彦社長が、生産開始のボタンを押して、設備が本格稼働を始めた。
生産部の松原誠志執行役員(生産部長)は、選別の均質化と省人化を両立させ、安心、安全な製品を届けていきたいと話す。今後は、アーモンドの選別で培った知見を踏まえ、両社で他品目や他拠点への展開の可能性も検討する。