クラシアンは、契約業務における複数ツールの乱立による情報の分断を解消するため、LegalOn Technologiesの法務AI「LegalOn」による業務基盤を構築した。6月4日、LegalOn Technologiesが事例情報を公開した。親会社であるクラシアンホールディングスが2025年10月に同システムへの移行を完了したことを受け、クラシアンの法務を担うグループ総務部が一連のプロセスを統合。案件の受付から審査、電子締結、その後の保管までを一気通貫で完結できる環境を整え、審査依頼が増加する中でも少人数で安定して業務を回せる体制を確立した。
24時間365日、全国47都道府県で水まわりのトラブルに対応するクラシアンは、法人向けの業務委託契約を中心に月70件程度の多岐にわたる契約審査を担っている。法務機能を担うグループ総務部では、少人数で契約審査に加え、ガバナンス業務や広範な業法対応まで幅広く対応してきた。従来は案件管理、契約審査支援、契約書保管のツールを個別に導入していたものの、それぞれの工程で情報が分散し、案件の背景や交渉経緯の把握が属人化しやすい点が課題となっていた。
選定にあたっては、受付から保管までの全工程を同一プラットフォーム上の一つの流れとして一元管理できる環境を評価した。また、締結済み契約書約2500件の移行が必要であったが、同一ベンダーの既存製品からの移行であったため、移行コストを低く抑えられスムーズに運用へ移れる点も決め手になった。用途に合わせた拡張性の高さも採用を後押しした。
導入後は、事業部門が「マターマネジメント」機能のフォームから依頼すると案件が自動登録され、反社チェックからリーガルチェック、稟議を経て「サイン」機能による電子契約の締結、その後の自動格納までがシームレスに完結する。特にタイムライン機能の活用により、判断や交渉の履歴が時系列で蓄積され、対応の一貫性が向上した。さらに、PDFの高度なOCR機能によるドラフティング作業の迅速化や、弁護士監修の豊富なひな形を活用した契約書作成の省力化も実現している。
今後は、AI契約書レビューを用いた事業部門による一次レビュー体制の構築を視野に入れ、さらなる業務の効率化を目指す。また、法務特化型AIアシスタント機能の活用により、社内公募などで集まった多様なバックグラウンドを持つ若手担当者が学びながら実務経験を積める環境を整え、属人化の防止と多様なキャリア形成を後押ししていく。