コクヨは、ハイブリッドワーク時代におけるオフィスの防災課題解決と全社員の防災意識向上を目的に、マンカインドゲームズとバーチャル防災訓練システムを共同開発し、東京品川オフィス「THE CAMPUS」に導入した。6月5日、マンカインドゲームズが発表した。PC等の既存設備で動作するシステムの活用により、テレワーク中の社員を含め場所を問わない訓練環境を確立し、有事の際の対応力底上げを図る。
文具やオフィス家具の製造・販売を手がけるコクヨは、品川オフィスにおいてABW(時間と場所を自由に選ぶ働き方)を推進している。これにより、日々の出社率のばらつきやフリーアドレス化が同時に進行。その結果、消防法が定める「自衛消防組織」の役割担当者が有事の際にオフィスに不在となる可能性が高まったことや、リアルな避難訓練への参加率低下が深刻な課題となっていた。
システムの開発にあたっては、マンカインドゲームズが持つUnreal EngineやUnityを用いた3D空間制作の実績と、東京消防庁の消防学校向け「消防活動訓練VR」の開発で培った公的機関との実践的なノウハウを応用した。品川オフィスの内部を3Dスキャンによって高精度に再現したことで、見慣れた職場の環境でのバーチャル訓練が可能になった。さらに、リアルな訓練では安全上の理由から再現が困難な、防火シャッターの降下による避難経路の遮断、煙の充満、停電といった危険状況を安全に体験できる点を評価し、約3カ月間の共同開発期間を経て完成させた。
導入後は、専用ハードウェアを必要とせずWindows PCやMeta Quest 3等で動作するため、自宅からでも訓練に参加できる環境を実現した。実際の有事を想定し、平時の通行ルートが通れない状況などでの実践的な体験を通じて、役割担当者だけでなく全社員の防災意識の向上や対応力の底上げに寄与している。2025年5月28日には、新入・中途社員を対象としたハイブリッド避難訓練を実施し、東京消防庁による視察も行われた。
コクヨは今回の導入検証から得られた知見をもとに、今後はシステムのさらなるブラッシュアップを進める。