テイケイ気化器、保全クラウド導入で部品欠品ほぼゼロへ 現場往復も解消

2026年6月5日18:17|ニュースCaseHUB.News編集部
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 テイケイ気化器は、金型保全業務の効率化と設備稼働率の向上を目的に、M2Xの設備保全クラウド「M2X」を採用した。6月5日、M2Xが発表した。部品データのリアルタイム共有によって部品欠品をほぼゼロにしたほか、写真付きのデジタル記録への移行により保全担当者の現場への往復をなくす効果を上げている。

 農機や産業機器、マリン向けの汎用小型エンジン部品を製造するテイケイ気化器は、240型以上の金型を擁し、多品種の部品を量産している。現場では金型保全の精度と速度が生産ライン全体の稼働率を左右するが、従来は修理や整備の依頼をすべて紙でやり取りしていた。トラブル発生時に過去の原紙をめくり返して不具合を探す手間に加え、複数のExcelファイルへ毎朝1時間から1時間半かけて作業記録を打ち込む二重管理が常態化していた。また、部品の在庫管理が担当者の頭の中だけに留まっていたため、修理時に欠品が発覚して設備が停止するロスが月に複数回発生し、生産スケジュールの崩壊や「止まるのはしょうがない」という諦めの文化が根付く原因になっていた。

 こうした課題に対し、当初は自作のVBAによるシステム化を試みたものの、OSのアップデートに伴う破綻リスクなど個人のPC環境に依存する運用の限界に直面。大手産業機械メーカーとの取引開始による生産量の大幅な増加という事業環境の変化も重なり、信頼性の高い専用システムの導入を模索した。選定にあたっては、台帳の入力項目を自由にカスタマイズできる圧倒的な柔軟性と、継続雇用のベテラン社員でも直感的に使える画面設計を評価した。また、現場で日常的に行われていた「手書きの絵で不具合箇所を示す」コミュニケーションを、撮影した写真に線や丸を書き込んで共有できる機能でそのままデジタル化できる点も決め手になった。

 導入後は、部品データをM2Xに登録して全員がスマートフォンなどの端末から入出庫情報をリアルタイムに共有できる体制を確立。これにより、部品を探し回ったり急きょ代用品を製作したりする手間がなくなり、部品欠品による設備停止はほぼゼロになった。修理依頼のプロセスも変わり、依頼側が現場の写真を撮って送るだけで状況が伝わるため、保全担当者が状況確認のためにわざわざ現地へ赴く「現場への往復」や確認の電話が解消された。さらに、蓄積された写真データから同一箇所に何度も発生している不具合がひと目で可視化されるようになり、「そんなもんだ」と見過ごされていた原因の特定と対策が可能になった。

 今回のシステム導入は、社内における閲覧権限アカウントを通じて他部署の関心を呼び起こしており、自社主導のDX(デジタルトランスフォーメーション)を活性化させる起点としても機能している。今後は、現在自作システムと併用している4000品番の部品管理について、すべての入出庫履歴をM2Xへ一本化する完全統合を目指す。将来的にはM2Xを社内の基本システムとして位置づけ、他部署の在庫管理業務などへも活用範囲を広げていく。

ニュースリリース