和歌山県の紀陽銀行は、ナレッジワークのAIによる商談の記録・解析サービス「ナレッジワークAI商談記録」を全行に導入した。2026年5月からの試行で、記録作成の負担軽減などの効果を確認した。AIアバターを相手に練習する「ナレッジワークAI営業ロープレ」も、試行を始めた。10月14日、ナレッジワークが発表した。
紀陽銀行は、お客さまとの対話から得たニーズや課題を的確に把握し、質の高い提案につなげることを重視する。一方、商談後の記録の作成とCRMへの入力には、一定の時間がかかっていた。内容や粒度が担当者ごとに異なるため、情報共有や継続的なフォローに生かしにくい点も課題だった。
ナレッジワークAI商談記録は、AIによる文字起こし、要約、入力の支援で、商談の議事録作成とCRM/SFAへの入力を自動化する。紀陽銀行は、記録業務の負担を軽くし、情報の品質をそろえるとともに、蓄積した商談データを組織で共有し、分析して、お客さま起点の提案力の向上につなげる狙いだ。2026年5月から試行し、記録作成の負担軽減と、蓄積した情報をより高度な提案に生かせる効果を確認して、全行への導入に踏み切った。
営業担当者の提案力と対話力をさらに高めるため、ナレッジワークAI営業ロープレの試行も新たに始めた。これまで、実践的な研修やOJTに取り組んできたが、指導者の時間の確保が難しく、ロープレの実施頻度、評価基準、フィードバックの内容にばらつきが出ていた。AIアバターを相手に、時間や場所を問わず繰り返し練習でき、統一された観点で、客観的な評価を受けられる環境を整える。試行を通じて、育成の効率化と、提案力・対話力の底上げにつながるかを検証する。
DX戦略部長の森田昇利氏は、試行で、商談記録の自動化による負担の軽減に加え、お客さまのニーズや課題を組織全体で共有し、次の提案に生かせる手応えを得たことが、導入の大きな決め手になったと説明する。今後は、蓄積される商談データを、営業活動の振り返りや人材育成、提案品質の向上に幅広く活用し、お客さまへの提供価値を高める考えだ。