税理士法人を擁するTOMAコンサルタンツグループは、LayerXの業務効率化AIエージェントサービス「バクラク」シリーズの「バクラク申請」「バクラク経費精算」「バクラク請求書受取」を使い、仕訳と証憑を1画面で確認できるようにした。経理・承認作業や申請関連業務などで、合計月26.2時間の業務時間を削減した。10月14日、LayerXが発表した。顧問先企業へのバクラクの導入支援も強化する。
以前のシステムでは、組織図に沿った標準の承認フローしか運用できず、例外への対応に手間がかかっていた。証憑の保管場所も分散し、わずかな金額の修正でも、作成者への差し戻しが必須で、業務全体のボトルネックになっていた。「経費精算」「申請・承認」「請求書処理」の各システムは、他社製で分断され、連携も不十分だった。
バクラクの決め手は、視認性と操作性の高さだ。1画面で仕訳と証憑を確認でき、画面の切り替えや、証憑ファイルをダウンロードして開く操作が不要になった。複数の他社システムをバクラクに一元化し、申請者と経理担当者の双方の操作性が上がって、運用管理のコストも減った。DX支援を手がける同社は、顧問先に勧める前に、まず自社で、同種のサービスを複数比較し、検証した。申請・承認や請求書受取のデジタル化、業務の標準化、内部統制の強化に最も適していると判断した。AI-OCRの精度の高さ、機能の更新の速さ、課題解決力も評価した。
添付した証憑は、画面上ですぐに閲覧でき、ダウンロードの手間なく確認し、承認できる。軽微な金額の修正は、経理側で直接対応し、不要な差し戻しを減らした。AIによる日付の自動読み取りや、明細CSVからの仕訳の自動生成で、入力ミスも減った。申請者とのやり取りは、システム内のコメント機能に一本化し、連絡の手間が減って、現場からも評価されている。
定量的な効果は、次のとおりだ。月間の削減時間は、合計26.2時間(年間約315時間)。1件あたりの承認時間は、約3分から約2分に縮み、毎月約1250件の個人精算と支払に対応している。経理と承認の作業は、月約62.5時間から約41.7時間に減り、月20.8時間(年間約250時間)の削減だ。申請と情報システムの業務は、作成者と第1承認者の作業を合わせて、月5.4時間(年間約65時間)減った。
今後は、自社で効果を実証したバクラクを、顧問先への推奨ツールとして、導入支援をさらに強化する。LayerXとのパートナーアライアンスも強める。顧問先で、月次決算の早期化や、証憑の一元管理による監査業務の効率化にもつながると期待する。
取締役の持木氏は「定型業務はシステムに委ね、税理士は『未来の経営支援』へシフトすべき」と話す。会計業務では、自由度の高すぎる汎用の生成AIよりも、一定のルールを備えた、パッケージシステムとAIの組み合わせが最適だと見る。