ゴールドウインは、機密情報や個人情報を保護しながら生成AIを活用できる環境を整えるため、生成AIチャットサービス「Acompany セキュアチャット」を採用した。10月26日、同サービスを提供するAcompanyが発表した。2026年9月から、経営企画や人事、カスタマーサポートなど機密情報を扱う部署を中心に順次展開しており、社内での生成AI利用の定着を目指す。
ゴールドウインは「THE NORTH FACE」や自社ブランド「Goldwin」などを国内外で展開している。同社は以前から社内向けの生成AIを導入し、議事録の要約や文章の添削、社内規程に関する問い合わせなどに活用してきた。しかし、利用率は約2割にとどまり、定着が課題になっていた。生成AIの進化に伴って社員が使いたいAIモデルや機能も多様化しており、機密情報や個人情報を適切に守りながら、業務に応じてAIを使える環境が求められていた。
Acompany セキュアチャットは、入力された社内の機密情報や個人情報を自動で検知・マスキングし、外部に出さずに主要な生成AIを利用できるサービスだ。データを秘匿したまま処理するConfidential Computing(機密コンピューティング)技術を活用しており、提供元のAcompanyを含め外部からプロンプトの内容を閲覧することはできない。複数のAIモデルを個別契約なしで切り替えて使えるほか、AIの利用ログを記録・可視化する機能も備える。
ゴールドウインは、経営情報や個人情報など機密性の高い情報を扱ううえで、外部のAIモデル側にデータが渡るリスクを技術的に抑えられる点を評価した。また、用途に応じて複数のAIモデルを使い分けられ、セキュリティを確保しながら使いやすさを損なわない点も決め手になったという。導入は、経営企画やIRなどを担う総合企画本部を中心に進めた。
今後は、資料作成や議事録の要約、社内文書の確認、文章の下書きなど、部署ごとの業務に合わせた活用方法を社内に発信し、利用の定着を図る。利用状況や業務への効果を確認しながら、AIによる業務時間の削減や、AIに任せられる業務の拡大についても検証していく方針だ。
総合企画本部DX推進室DXストラテジーグループマネージャーの横山雄一氏は「外部AIの利用に伴うリスクを技術的に抑えつつ、使いやすさも両立できることが導入の決め手となった。今後もAI活用を一層推進し、AIに任せられる業務はAIに任せることで、人はモノづくり・コトづくり、お客様との関係づくりといった、人にしかできない価値の創出に注力していく」と話している。