キューサイ、AI搭載CDPで顧客との関係強化 経営の意思決定にも活用

2025年11月4日22:45|ニュースCaseHUB.News編集部
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 キューサイは、トレジャーデータが提供するCDP「Treasure Data CDP」のAI機能「AI Agent Foundry」とマーケティングオートメーションツール「Engage Studio」を2025年10月に導入した。11月4日、トレジャーデータとキューサイが連名で発表した。既存のデータ活用基盤にAIとMAを組み合わせ、顧客との関係性強化と業務効率化を図る。経営へのインパクトを可視化する新たな事業成長モデルの構築を目指すという。

 キューサイはこれまで、TV通販、EC、リテール事業を軸としたマルチチャネル戦略を推進し、顧客データの統合を進めてきた。しかし、チャネルの多様化に伴い顧客行動が複雑化し、個々のニーズを正確に把握して最適なタイミングでコミュニケーションを行うことが難しくなっていた。

 こうした課題の解決策として、キューサイは既存のTreasure Data CDP上にAIを活用した新たな仕組みを作った。経営層、マーケティング担当、現場オペレーションなど、各業務領域に最適化されたAIエージェントをAI Agent Foundryで構築。CDPに蓄積された高品質な顧客データや財務データを高速に分析し、意思決定から日々の業務までを支援する。

 これにより、顧客の興味・関心や購買行動の予測精度を高めるとともに、潜在ニーズの発掘やLTV(顧客生涯価値)の向上につながる施策立案を実現するとしている。さらに、経営層もAIとの対話を通じてTreasure Data CDPをダッシュボードとして活用できるようになる。事業成長に向けた迅速な意思決定につなげたい意向だ。

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AI Agent FoundryとEngage Studioの導入効果(出典:トレージャーデータ)

 また、Engage Studioを活用することで、AIが導き出したインサイトに基づき、メール、LINE、ウェブサイト、オフラインなどのチャネルを横断して、顧客一人一人に最適なメッセージをリアルタイムに配信する。精緻なセグメント設計と自動化されたシナリオにより、従来の一斉配信では難しかったパーソナライズされた顧客体験を実現するという。

 この両機能を組み合わせることで、マーケティング部門の施策の高度化だけでなく、施策結果の財務インパクトを明確にし、経営判断に役立てる新しいデータ活用体制を構築する。将来的には、AIによる顧客インサイトを商品開発やサービス設計にも生かすことも視野に入れる。

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