旭鉄工、生成AI活用基盤に「dejiren」導入、意思決定を迅速化

2024年9月18日09:00|ニュースCaseHUB.News編集部
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 旭鉄工は、データ分析基盤「Dr.Sum」とBIダッシュボード「MotionBoard」を活用したデータ活用基盤「旭DXエンジン」に、ウイングアーク1stのコミュニケーションプラットフォーム「dejiren」を新たに導入した。9月12日、ウイングアーク1stが発表した。生成AIを活用した柔軟かつ迅速な意思決定をはかる現場主導のデータ活用基盤を構築する。

 旭鉄工は2020年にDr.Sum、MotionBoard、i-Reporter(シムトップス社)を連携させたデータ活用基盤の旭DXエンジンを構築した。これ用いて生産管理をはじめ、営業、製造、経理、調達、環境などさまざまな現場から創出されるデータを一元化し、リアルタイムで参照できる環境を実現している。2021年にはDX推進室を立ち上げ、各部署が自主的に改善活動を推進し、ペーパレス化では年間約800万円のコスト削減を実現している。

 しかし、100年に一度の変革期と言われる自動車業界において、DX推進によるさらなる業務効率化や生産性向上を実現するため、収集、蓄積されたデータの高度な活用で人の判断や行動を促し意思決定を支援する新たな仕組みの構築を検討した。その結果、生成AIを取り入れたデータ活用で、個人の経験や勘によるばらつきを解消し、製造現場におけるベストな判断と行動を促せる仕組みとして新たにdejirenを導入した。

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旭DXエンジンの概念図

 dejirenは、さまざまなシステムとの連携機能、ビジネスチャット機能、業務フローをノーコードで自動化、効率化するバーチャルアシスタント機能、データの蓄積と一覧化を実現するフォーム&データベース機能を備え、既存のDr.Sum、MotionBoardとの親和性も評価された。

 dejirenのバーチャルアシスタント機能に生成AIを組み合わせることで、やりとりされたメッセージの取得と生成AIによる解析、分かりやすい要約、傾向推移の状況分析から経営層へのアクションプランの自動配信を実現している。製造部では、各製造部門の過去のトラブル対応に関するノウハウや事例の情報を蓄積し、dejirenのチャット機能を通じて問い合わせを行い、必要な情報を取得できる仕組みを構築した。これにより、従業員間でばらつきがあった対応の標準化とスキルの底上げに役立っている。

 経営会議では、月次会計データのMotionBoard画像を生成AIに解釈させ、多面的な分析に役立て、判断のバラつきをサポートし経営判断の支援に活用している。さらに、製造部ではMotionBoardのダッシュボード情報を生成AIで分析し、その結果を現場のライン長に自動通知することで、判断、行動しやすい仕組みづくりに取り組んでいる。

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