富士電機は、Olloが開発・提供する作業分析AIソフトウェア「Ollo Factory」を採用した。同社の生産技術センターと富士電機機器制御の吹上工場で活用を開始している。9月28日、Olloが発表した。生産技術センターではIE(インダストリアル・エンジニアリング)の人材育成研修に活用し、吹上工場では現場の作業分析や動画マニュアルの作成に役立てる。作業分析の効率化を通じて、改善活動や作業標準化により多くの時間を振り向ける。
富士電機は、Olloが開発・提供する作業分析AIソフトウェア「Ollo Factory」を採用した。同社の生産技術センターと富士電機機器制御の吹上工場で活用を開始している。9月28日、Olloが発表した。生産技術センターではIE(インダストリアル・エンジニアリング)の人材育成研修に活用し、吹上工場では現場の作業分析や動画マニュアルの作成に役立てる。作業分析にかかる時間を減らし、改善活動や作業の標準化により多くの時間を振り向ける狙いだ。
こうした課題を解消するため、同社は生産技術センターと吹上工場へOllo Factoryを採用した。選定にあたっては、初めての利用者でも扱いやすい操作性に加え、現場で撮影した作業動画の分析を通じて現場改善を支援する機能を評価した。動画から作成したマニュアルや改善提案を多言語で共有できるため、外国人作業者への教育や海外拠点への改善活動の展開にも活用する。
生産技術センターでは、新入社員や各工場のIE担当者、作業長を対象とした研修でOllo Factoryを活用している。受講者は現場で撮影した動画をシステムにアップロードし、AIによる作業分析と実践的なIE手法を学ぶ。作業動画を基にした分析結果は、新入社員が改善の着眼点を学ぶ教材としても活用している。この研修を通じて、国内11工場の担当者がAIを活用した作業分析を自らの現場で実践できる体制づくりを進めている。
実際の製造現場である吹上工場では、作業者が自らOllo Factoryを使って作業分析を行っている。分析の自動化によって所要時間を削減し、改善の検討や実行により多くの時間を充てられるようになった。また、作業動画からマニュアルを自動生成する機能を活用し、手順書作成の負担軽減や作業の標準化、新人教育にかかる時間の短縮を図っている。
Ollo Factoryを活用したIE研修では、研修満足度が89%となり、富士電機が2012年から実施してきた教育の中で過去最高を記録した。目標としていた80%も上回った。目標としていた80%も上回った。受講者からは映像比較によってばらつきを特定しやすく理解が進むといった声が寄せられている。分析作業そのものを目的化せず、その先にある改善を回すマインドへの意識改革にもつながっている。
富士電機生産・調達本部生産技術センター技術・技能研修所所長の今関恭一氏は、AIによる分析の自動化により、生産技術者が付加価値の高い業務に注力しやすくなり、技能者も分析結果を現場改善へ結び付けるまでの時間を短縮できると説明した。今後はデジタルツインファクトリー構想に向けた機能強化に期待を示した。同センター技術・技能研修所教育課担当課長の青木澄夫氏は、ツールの利用そのものではなく、現場の一人ひとりが課題を見つけて主体的に改善を回せるようにすることが教育部門の狙いだとした。
富士電機は今後、国内11工場においてAIによる作業分析と実践的なIE手法の定着を進め、現場主体の改善を広げていく方針だ。将来的にはグループ会社や海外工場への展開も視野に入れ、全社的な生産性向上とIE人材の育成に取り組む。