トライコーン、AIとkintone連携で企業調査を自動化 1件10分の工数を削減

2025年12月15日22:56|ニュースCaseHUB.News編集部
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 トライコーンは、自社のインサイドセールス業務において、CRMプラットフォーム「クライゼル」と業務アプリ作成基盤「kintone」、AIエージェントを連携させたシステムを構築した。12月15日、トライコーンが発表した。問い合わせ対応時の企業情報収集を自動化し、営業担当者の負担を軽減した。リードタイム短縮と生産性向上につなげる狙いだ。

 同社はデジタルソリューション事業を展開しており、Webサイトを通じて多くの問い合わせやサービスの試用申し込みが寄せられている。従来、インサイドセールス部門では、新規取引前の与信確認や商談準備に必要な企業情報の収集を手作業で行っていた。しかし、調査業務に時間を要するため、顧客への対応速度が低下したり、営業担当者が本来注力すべきコア業務の時間を圧迫したりすることが課題となっていた。

 そこで、これらの業務課題を解決するため、自社製品であるクライゼル(kreisel)とサイボウズのkintone、そしてAIエージェントを連携させた自動化ソリューションを導入した。新たな仕組みでは、顧客がクライゼルで作成されたWebフォームから情報を入力すると、そのデータがkintone上のSFA(営業支援)アプリに自動で登録される。このデータ登録をトリガーとしてAIエージェントが起動し、登録された企業名をもとにインターネット上から必要な情報を自動で収集する。取得した企業概要や簡易的な与信チェックの結果は、kintoneの該当レコードへ自動的に書き込まれるフローとなっている。

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企業情報取得フローの概要図

 このシステムの導入により、インサイドセールス業務の効率は大幅に改善された。従来はクラウドサービスの試用版提供に際して、仮与信チェックに1~2営業日を要していたが、迅速な判断が可能になった。また、担当者が1件あたり約10分かけていた企業情報の確認作業も自動化によって削減された。これにより、顧客へのサービス提供開始までのリードタイムが短縮され、営業担当者の生産性向上にもつながっている。トライコーンは今回の成功事例を基盤に、今後もさらなる社内業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進していく方針だ。

ニュースリリース