スギノマシンは、商談情報の自動蓄積とデータドリブン経営の実現に向け、Umee Technologiesのインサイトアナリシス「Front Agent」を採用した。6月3日、Umee Technologiesが発表した。同製品と業務改善プラットフォーム「kintone」を連携させ、これまで営業現場でブラックボックス化していた顧客の声を組織資産として一元管理する情報基盤を構築した。
富山県に本社を置くスギノマシンは、高圧水技術など「6つの超技術」を核に多産業へ展開する老舗の産業機械メーカーだ。顧客の課題に合わせてカスタマイズ提案を行う高度な技術営業を強みとする一方、営業員が最前線で受け取る「顧客の声」が個人の手帳やノートのメモに留まり、オフィシャルに共有されないことが課題となっていた。kintoneは導入されていたものの、活動内容の入力負担が大きく、営業戦略や新製品開発に顧客の声を十分に活かせない状態だった。
システム選定にあたっては、単なる音声のテキスト化精度ではなく、蓄積したデータをその後の分析や営業戦略に活かせるかという本質的な視点を重視した。また、社内の情報基盤をkintoneへ一元集約する方針を掲げていたため、同製品がAPI連携によって自然に組み込め、営業員が新たなシステムを覚える必要がないシンプルな設計思想も決め手となった。
導入後は、営業の打ち合わせ内容が自動でテキスト化され、kintoneへ直接記録される仕組みが実現した。これにより個人の解釈を挟まない客観的な情報が自動蓄積され、担当者交代時の引き継ぎがスムーズになった。さらに、日報や会話記録が1カ所に集約されたことで、エクセル等での資料準備が不要となり、kintoneを立ち上げるだけで週次ミーティングが完結するチームも現れるなど、現場の運用負荷が大きく軽減されている。
今後は、構築した情報基盤をもとに「ためる、分析する、予測する」の3ステップ構想を段階的に進める。蓄積された顧客の声を地域別や産業別に分析して有効な営業戦略の立案に役立てるほか、発話データから不足スキルを特定するAI教育カリキュラムへの活用、開発本部と連携した商品ニーズの予測などを目指す。また、各階層で毎週平均3から4時間を費やしている週報作成業務について、AIを活用した自動化の構築も進行している。