ホンダ・レーシング、AI活用でMotoGPライダーの育成を高度化

2026年3月29日11:59|ニュースCaseHUB.News編集部
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 ホンダ・レーシング(HRC)は、MotoGPライダー候補の発掘や分析、育成プロセスの高度化を目的に、AIを活用した分析基盤の構築を開始した。システム基盤として、日本IBMのAIプラットフォーム「IBM watsonx」とAIエージェント「IBM Bob」を採用した。3月27日、日本IBMが発表した。専門家の経験値とAIの分析力を融合させることで、データに基づいた新たな評価アプローチを確立し、世界で戦えるライダーの効率的な育成を目指す。

 MotoGPをはじめとするモータースポーツの世界では、ライダーの技能だけでなく、マシンの特性やレース環境といった多角的な要素が競争力に直結する。HRCではこれまで、経験豊富な専門家が走行データや独自の知見に基づいてライダー候補の発掘や評価を担ってきた。しかし、さらなる競技力の向上には、人の判断だけでは捉えきれない微細な気づきを可視化し、育成の質をより高い次元へ引き上げる必要があった。

 構築する分析基盤は、IBM Cloud上で動作し、ライダーの特徴分析や強み・弱みの可視化、育成に向けたレポート生成などをAIで実現するものだ。具体的には、MotoGPの公開データを含む外部データの活用を検討するとともに、ライダー評価に必要な機械学習モデルを「IBM watsonx.ai」上に構築する。あわせて、AIガバナンス・プラットフォームの「IBM watsonx.governance」を導入し、AIの判断における透明性の確保やバイアス監視、説明可能性の強化を図る。

 データの分析工程には、エンタープライズ向け開発支援パートナーであるIBM Bobを活用する。データ加工から分析パラメーターの作成、機械学習モデルの構築、結果のサマリー生成までの一連の工程を対話形式で自動化することで、迅速かつ高品質なシステム開発を可能にした。

 今回の取り組みにより、専門家の経験とAIの分析力が相互に補完し合う体制が整う。これにより、候補者をより深く理解するためのインサイトが得られるだけでなく、分析に要する時間を大幅に短縮できるようになる。その結果、より多くの候補者を公平に評価することが可能となり、育成体制全体の高度化に寄与する。

 また、日本IBMはHonda HRC Castrolチームの公式AIパートナーとしてスポンサーシップ契約を締結し、技術と運営の両面からチームを支援する。

 HRC二輪レース部長の石川譲氏は、日本IBMとの協働は人の観察眼とAIの分析力を組み合わせることでライダー育成の可能性を広げる新たな挑戦だと述べている。人の力を活かしながら、より高いレベルの育成環境をつくっていくとしている。HRCは今後、極限のレース環境で勝利するためのチャレンジを継続し、先進技術であるAIを積極的に活用することで次世代ライダーの獲得と勝利を目指す。

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