中外製薬、内製した生成AIアプリのサービス品質向上目指しNew Relic導入

2024年9月9日09:00|ニュースリリース公開日 2024年9月3日|ニュースCaseHUB.News編集部
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 中外製薬は、内製した生成AIアプリ「Chugai AI Assistant」のサービス品質向上を目的に、New Relicのオブザーバビリティ(可観測性)プラットフォーム「New Relic」を採用した。9月3日、New Relicが発表した。

 同社はがん領域や抗体医薬品に強みを持つ研究開発型製薬企業。創薬などへの先進テクノロジー活用にも積極的で、デジタル領域の投資を加速させている。AIアプリなどの内製開発体制を強化し、開発の生産性向上や社内ユーザーへの迅速なサービス提供を実現する環境整備にも取り組んでおり、2024年7月にはマルチクラウドの全社基盤システム「Chugai Cloud Infrastructure(CCI)」上に、標準化された技術スタックを統合した「Acceleralyst」と呼ぶプラットフォームを整備した。その標準コンポーネントの一つとしてNew Relicを採用したかたちだ。

 同社は24年5月、全従業員約7600人向けに、業務支援のための生成AIアプリとしてChugai AI Assistantをリリースした。このアプリはCCI上に構築し、複数の大規模言語モデル(LLM)を使い分けられる。現在、月間アクティブユーザー数は約3500ユーザーで、ピーク時の利用は1時間で180万トークンに及ぶという。

 中外製薬はNew Relicを活用し、Chugai AI Assistantのマルチクラウド環境をモニタリングしている。具体的には、ユーザー体験の定量的な把握や、LLMとクラウドリソースの利用状況の観測に役立てている。さらに、AIアプリ向けのアプリケーションパフォーマンスモニタリング(APM)機能「New Relic AI Monitoring」の本格活用も進めるとしている。

 Chugai AI Assistantは「機密性の高い業務にも安心して利用できる」としており、主要クラウドサービスとの接続には閉域網を使っている。閉域網を介したアプリケーションプロセスへのオブザーバビリティツールの導入では、New Relic日本法人が技術的に支援し、短期間での実装につながったとしている。

 中外製薬デジタルトランスフォーメーションユニット デジタル戦略推進部アジャイル開発推進グループ グループマネージャーの川畑亮介氏は「マルチクラウド環境とAIアプリにオブザーバビリティを短時間で適用できたことは実に大きな成果。今後はSRE(サイト信頼性エンジニアリング、ソフトウェアエンジニアリングの手法によってシステムの信頼性と安定性を向上させる運用方法論)活動の実践と定着化に取り組む」と述べた。

ニュースリリース
https://newrelic.com/jp/press-release/20240903