ミューチュアルは、PBXの老朽化対応と業務効率化を目的に、クラウドPBXサービス「Zoom Phone」を採用した。8月14日、「Zoom Phone」を提供するブイキューブが発表した。今回の採用により、拠点間の内線環境が整備され、代表電話の取り次ぎ件数を最大で約86%削減した。場所にとらわれない柔軟な働き方の推進と業務効率の大幅な向上につなげている。
ミューチュアルは、医薬品や化粧品、食品業界向けに包装機械などを提供する技術商社兼メーカー。同社では一部の拠点で20年以上前に導入したオンプレミス型のPBXを利用しており、機器の老朽化が事業継続計画の観点から課題となっていた。また、部署異動やレイアウト変更の度に業者への設定変更依頼が必要で、柔軟な対応が困難だった。
さらに、拠点間に内線が整備されていなかったため、社内連絡も外線の代表番号を経由する必要があり、特定の社員に応対が集中するなど、コミュニケーションに非効率が生じていた。社員に支給されていたスマートフォンも共通の電話帳がなく、内線としての活用が進んでいない状況だった。
これらの課題を解決するため、同社はクラウドPBXへの移行を検討。複数のサービスを比較する中で、工場の現場など多様な環境でも安定した音声品質を保てる点、誰でも直感的に使える操作性を評価し、Zoom Phoneの採用を決めた。既存の業務フローで必須となる構内放送との連携が可能な点も決め手になった。
Zoom Phoneの採用で、社員個人のスマートフォンがビジネスフォンとして機能するようになり、電話業務は大幅に改善された。拠点間の内線化が実現し、ある部署では週に21件発生していた電話の取り次ぎが3件まで減少、社員の負担を大幅に軽減した。代表番号への着信も個人のスマートフォンで対応可能となり、オフィス内外を問わない柔軟な働き方を後押ししている。
運用管理面でも効果が出ている。電話番号の設定や変更がWeb上で即時に行えるようになり、レイアウト変更時の業者対応が不要になった。また、通話ログを活用して電話の利用状況を可視化し、データに基づいた運用最適化やコスト管理に役立てることも可能になった。
ミューチュアル管理本部総務・ITグループ主査の林治氏は、「固定電話の削減で職場も静かになり、スマートフォンによる業務活用も拡大した。座席に依存しない番号運用やWebでの設定変更により、柔軟な対応とコスト削減も実現できた。現場からもZoom Phoneを活用した改善提案の声が上がるなど、全社的な改善が見られている」とコメントしている。